ニュースヘッドライン
Catalyst Europe 2010の講演(20100317-1)
2010年4月21日、筆者はプラハで開催されるBurton Group社(先ごろGartner社により買収)主催のCatalyst 2010カンファレンスに参加し、「Securing the Internal Cloud」(社内クラウドのセキュリティ)というタイトルの講演を行う
2010年はクラウドコンピューティングの年だとされており、VMware社、Citrix社、Red Hat社、そしてMicrosoft社のようなベンダーが、仮想化プラットフォームをサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)クラウドに変える新しいソリューションをリリースしている。
ハイパーバイザーや管理レイヤと一緒に、自動化、請求処理、セルフサービスプロビジョニング、サービスカタログ、アプリケーションSLA、マルチテナントなどの新たな要素が加わっている。
世界中の顧客がこの製品を調査し、社内プライベートクラウドにおけるデータセンタ変換の評価を進めており、セキュリティが真っ先に評価すべき分野の1つとなっている。
このプライベートクラウドの新要素はセキュリティにどのような影響を与えるのだろうか?
今回のセッションでは、仮想インフラとプライベートクラウドの違いを探求し、それらがデータセンタが攻撃を受ける面積を広げるのかどうか、その詳細、そしてIaaSアーキテクチャによって招かれる新たな脅威への対策の解明を試みる。
同カンファレンスでは次のような驚くべき顔ぶれの専門家が講演を行う。
- Chris Wolf氏 - Burton Group社シニアアナリスト
Server-hosted Virtual Desktops: Assessing Vendor Solutions(サーバによってホスティングされる仮想デスクトップ:ベンダーソリューションの評価)(ほかにもセッション多数) - Drue Reeves氏 - Burton Group社バイスプレジデント兼リサーチディレクター
Building a Viable Cloud Strategy(生き残れるクラウド戦略の構築)(ほかにもセッション多数) - Giles Hogben氏 - ENISA社セキュアアプライアンス担当プログラムマネージャ
Europe's security strategy for cloud computing(欧州のクラウドコンピューティング向けセキュリティ戦略)
(2009年11月公開のCloud Computing Security Risk Assessmentで協力) - Richard Garsthagen氏 - VMware社シニアエバンジェリスト
Building a Private Cloud using Virtualization: Practical Next Steps(仮想化を使ったプライベートクラウドの構築:実用的な次のステップ) - Richard Jones氏 - Burton Group社サービスディレクター兼データーセンター・ストラテジスト
Server Virtualisation Hypervisor Competitive Differences(サーバ仮想化ハイパーバイザの競争上の違い)
(われわれが主催したVirtualization Congressのメインスピーカー) - Ruben Spruijt氏 - PQR社最高技術責任者(CTO)およびJeroen van de Kamp氏 - Login Consultants社CTO
Project VRC 2010: Best Practices in Virtualising Terminal Servers and Desktops(VRC 2010プロジェクト:ターミナルサービスおよびデスクトップ仮想化時のベストプラクティス)
(同じくvirtualization.info主催のVirtualization Congressにおける2人のメインスピーカー) - Simon Crosby氏 - Citrix社データセンター/クラウド担当CTO
Extreme Makeovers: Virtualization and the future of the enterprise desktop(究極の改造:仮想化とエンタープライズデスクトップの未来)
このような訳で、virtualization.infoは同カンファレンスで取材を行って、基調講演や複数のセッションで明らかになる興味深いニュースや発表をお届けする。
参加を予定しながらまだ登録されていない方には素晴らしいプレゼントがある。Burton Group社の好意により、virtualization.infoの読者に特別価格でチケットを提供する。
利用するには、こちらからDOTINFOを使って995ユーロお支払いいただきたい。
プラハにはカンファレンス開催期間中(4月20日から22日)ずっと滞在する。参加予定の方とは筆者の講演の前後に直接お会いできることを楽しみにしている。
Alessandro
(関心はお持ちだが出席はできないという方のためにも、今年はほかの場所でも講演を行っていく。筆者の全スケジュールはこちら)
ラベル: Announcements, Cloud Computing, Events
IBM社が仮想ラボホスティング用のKVMベースのIaaS(ベータ)クラウドを立ち上げ - 記事更新(20100316-8)
IBM社は3月16日、ソフトウェア開発/テスト用の新しいクラウドコンピューティング・プラットフォームのバージョン2を立ち上げる。
同サービスは、2008年4月から米新興企業のSkytap社が提供しているものと似通った仮想ラボ自動化システム施設に近いようだ。
CNETの報道によると、このサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)クラウドは、KVMをベースにした新しいRed Hat Enterprise Virtualization Hypervisor(REVH)によって運用されている。
確認されれば、これは新しいRed Hat仮想化プラットフォームで現在最も規模が大きく最も重要なケーススタディーとなる。
IBM社ではその仕組みを紹介する短いビデオを公開している。
このクラウドサービスは、IBM社が2009年10月に投入した「Smart Business Desktop」と呼ばれるプラットフォームの拡張となっている。「Smart Business Desktop Clouds」と呼ばれる部分は、仮想デスクトップとして機能し、VMware社、Citrix社、Desktone社、およびWyse社の技術によって動作する。
皮肉なことに、ウェブサイトにあるDesktop Cloudsのセクションはエラーが発生し、新しい顧客は同サービスにアクセスすることができない。同クラウドは回復力があるはずだが、それを宣伝するウェブページにはないようだ。
最新情報: Red Hat社が公式発表を行い、IBM社の新サービスが同社のKVMベースのプラットフォームで運用されていることを正式に認めた。
ラベル: Cloud Computing, IBM, KVM, Red Hat
Citrix社がXenからXenServerやXCPへの移行ツールを提供(20100316-3)
Citrix社は先ごろ、オープンソースのXenハイパーバイザーから同社によるXenServerのオープンソースインプリメンテーションやまもなく登場するXen Cloud Platform(XCP)への仮想マシンの移行を簡略化する新しいオープンソースツールをリリースした。
このV-to-V移行ユーティリティはPythonで書かれており、Xen VMからXenServerやXCPが理解するXVAフォーマットへのオフライン変換か、VMからこの2つのターゲットプラットフォームへのライブストリーミングを実行することができる。
同ツールは準仮想化とハードウェア仮想化アシステド(HVM)仮想マシンの両方をサポートするが、まだ開発の初期段階にあり、Citrix社は問題やバグに注意を呼びかけている。
ラベル: Citrix, Cloud Computing, Xen
VMware社からvCloud関連ニュースの発表はあるか?(20100308-6)
1月初め、virtualization.infoはクラウドコンピューティングに対するVMware社のアプローチの概要を示す長い記事を公開し、vCloud API、vCloud Expressインプリメンテーション、そしてそれを現在提供している5社のパートナーについて書いた。
そのうちの1社であるBlueLock社が先ごろ自社の顧客に電子メールを送信し、同社のvCloud Expressが3月25日に(暫定的に)ベータから一般向け出荷(GA)へ移行することを発表した。
われわれの知る限り、ベータテストを終えたプロバイダーはほかにはまだいない(本稿は必要に応じてアップデートする)。
したがって、vCloud Express GAを最初に発表したいというのがBlueLock社の考えである可能性は高いが、初期採用者がすべてGAを同じタイミングで発表してくる可能性の方がはるかに高い。
つまりこれは、VMware社がクラウドコンピューティングプラットフォームに関する新たな情報もしくはその一部を明らかにしようとしている、ということなのかもしれない。たとえば、APIのバージョン1.0や、プライベート仮想インフラからBlueLock社のもののようなパブリッククラウドに顧客が仮想マシンを移行可能にする「Redwood」プロジェクトの公開バージョンなどだ。
ラベル: Cloud Computing, VMware
Windows Azureによる仮想マシンのホスティングは3月から?(20100205-1)
Microsoft社は1月初め、PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)クラウドコンピューティングサービス、「Windows Azure」の提供を開始した。
同社チーフアーキテクトのRay Ozzie氏はAzureがAmazon EC2などのIaaS(サービスとしてのインフラストラクチャ)クラウドサービスと競合できるようになると語っているが、このコンポーネントはまだ公開されていない、あるいは少なくともわれわれには見つけられなかった。しかも、Microsoft社さえその存在を正式に認めていない。
virtualization.infoは2カ月ほど前、AzureのIaaSコンポーネント登場は3月になるのではないかと指摘した。これは、この月にMicrosoft社がクラウドツールキットをリリースするためだ。
実際、TechTargetによるとAzureは仮想マシンのホスティングを2010年3月に開始するようだ。
…Microsoft社は、Remote Desktopと仮想マシン(VM)のサポートをWindows Azureに追加する計画を発表し、Azureの利用料(基本利用料が1時間あたり0.12ドル)が時折変更される可能性もあることを明かしている。
Azure担当マーケティングディレクターのPrashant Ketkar氏によると、同サービスはRemote Desktop機能を早急に追加するほか、プラットフォームでダイレクトに仮想マシンイメージの読み込みと実行を行う機能も追加するという。Ketkar氏はこれら新機能の提供開始日に言及していないが、この2つが最も要望が多いことは明かしている。…
本稿の引用部分からは当初あったスケジュール部分への言及が消えているが、ほかの場所で早速だれかが引用していた。
(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)Microsoft社は3月末までにWindows AzureにRemote Desktopと仮想マシン(VM)のサポートを追加する見通しで、Azureの利用料(基本利用料が1時間あたり0.12ドル)が時折変更される可能性もあることを明かしている。…
3月であれいつであれ、Microsoft社はWindows Azureが仮想マシンのホスティングを行うことを再度認めている。これで、同社はパブリック/プライベートクラウド分野でAmazon社やVMware社と直接競争することになる。
Microsoft社がAzureで相当数の企業をホスティングできるなら、Hyper-Vに対する市場の認識が向上するだろう。さらに、高価な試験運用を行うことなくクラウドコンピューティングに対するMicrosoft社のアプローチを経験し、判断できるようになる顧客は、Hyper-Vによるプライベートクラウドに自信を持てるようになるかもしれない。
VMware社がTerremark社に出資した2000万ドルの使い途を示して「Redwood」プロジェクトを立ち上げることで対抗に出てくる可能性は高い。
ラベル: Cloud Computing, Microsoft
Dell社のファブリックコンピューティング戦略は?(20100203-2)
virtualization.infoの大半の読者は既にご存じだろうが、Cisco社はコンピューティングスタック全体がまとまって機能するよう設計および統合されたデータセンタ・パッケージソリューションを推進することでコンピューティングアーキテクチャの新しいトレンドを先導している。
これはApple社の哲学をデータセンタに適用するものだ。あるいは、メインフレームの現代的解釈とも言える。
Oracle社もSun社を買収した結果、同様の計画を発表した。ある意味、HP社も既に同じ方向に進んでおり、3Com社を傘下に収めた今、同社は近い将来さらに興味深いソリューションをリリースする可能性がある。
IBM社は、これらのx86コンピューティングスタックのパーツよりもPOWERアーキテクチャの方に関心があるようだ。
では、Dell社はどうだろうか?
PC Worldは2月3日、Dell社が同社のデータセンターソリューション事業部の設計による「クラウドコンピューティング」インフラ向け新シリーズの「CloudEdge」を発売することを明らかにする記事を公開した。
Dell社はカスタムデザインのハードウェアから標準化された製品へと移行し、パブリッククラウドのコンピューティングスタックプロバイダーから大企業まで幅広いユーザ層に販売していく。
Dell社には、これらのシステムにMicrosoft社やVMware社のハイパーバイザーやScalent社のオーケストレーションフレームワークをバンドルする計画もある。
Cisco社などの各社よりかなり前からデータセンタパッケージ製品を発売している米新興企業のEgenera社とDell社が既にOEM契約を交わしていることを考えるとすべてが驚きだ。
Egenera社は既にハイパーバイザーをサポートしており、コンピューティングスタック全体のコントロールに必要なオーケストレーションレイヤも組み入れている。
Dell社が、既に販売されていてファブリック・コンピューティングスタック用にカスタマイズされた製品を採用するのではなく、一段上のクラスのマシンを開発することにしたのはなぜなのだろうか。
ラベル: Cloud Computing, Dell, Fabric Computing
Novell社対VMware社:すべてを仮想化することはできない(20100128-3)
ZDNetは1月28日午前、Novell社最高技術責任者(CTO)のMoiz Kohari氏が仮想化市場のリーダーでライバルのVMware社と距離を置いた態度を見せる意外な内容のインタビューを公開した。
VMware社の最高経営責任者(CEO)が、仮想化できないワークロードは今はもう存在しない、という言葉で同社最大のカンファレンスの幕を切って落とした一方で、Novell社のCTOは以下のように話している。
(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)…現場に設置されたサーバと異なり、仮想化はハイパーバイザーレベルのI/O(入出力)待ち時間の問題をまだ克服できていない。その結果、可能な限り短い待ち時間を保証する必要のあるサービスプロバイダーや企業の場合は仮想化が選択肢にならない。…
Novell社が長年仮想化ベンダーであることを考えるとさらに意外なのは、Kohari氏が完全に仮想化されたクラウドインフラに懐疑的なことだ。
(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)「今後5年は、大半のマシンが現場に設置されたままになる」とKohari氏は指摘する。
同氏によると、Novell社のエンジニアが仮想化に関連した待ち時間の問題解決に取り組んでいるという。しかし、このような技術上の障害を克服するまでは、仮想化されたものとされていないものの両方のサーバで動作するアプリをサポートすべくクラウドインフラプロバイダーがハイブリッドのデータセンタを運営しなければならない。
IaaSクラウドコンピューティングの基盤としてハイブリッドインフラを運営するという考え方がVMware社、Cisco社、そしてEMC社がVCE CoalitionとVblock機器で推進する完全に仮想化されたコンピューティングスタックに程遠いことは明らかだ。
ラベル: Cloud Computing, Novell
Cisco社がサービスプロバイダー向けIaaSクラウドサービスを発表(20100127-1)
VMware社による支援のおかげでCisco社は本当に仮想化ベンダーへと変わりつつあるようだ。
同社の仮想化への関心の高まりはVMware社に1億5000万ドルを投資した2007年中旬に端を発するが、この業界で本格的な役割を果たしたいという野望が明らかになったのはUnified Computing System(UCS)の発売とEMC社およびVMware社との連合を発表したときのことだった。
Cisco社は1月26日にも、「セキュアマルチテナント」と呼ばれるプライベートクラウドアーキテクチャを提供すべく、2つ目となるNetApp社との提携を発表したばかりだ。もちろん当該クラウドはVMware社の仮想化技術によって動作する。
これよりはるかに大きかったのは、大半に気付かれることなく2日前にCisco社がサービスプロバイダー向けとして発表したサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)クラウドサービスだった。
この構想により、Cisco社はIaaSクラウドコンピューティングを容易に活性化させるべく、基本的には特定のアーキテクチャを推進していく。推奨デザインとしては多くのCisco製品(MDSからNexus 700まで)、好みのストレージバックエンド(ただし、第一候補はEMC製品)、そして当然ながら基盤の仮想化プラットフォームにはVMware vSphere 4.0の使用が暗示されている。
このアプローチを採用したいサービスプロバイダーは、Cisco社にコンタクトするだけで、テストおよび確認済みの製品コンフィギュレーションガイドと、言うまでもなくすべてのコンポーネントの提供を受けられる。
Cisco社は、クラウドコンピューティングの複雑性には準備の整ったソリューションで対処可能であることを示して顧客を安心させ、チャンスを本格的に活かしている。
そうするなかで、同社はVMware社の強力な営業部隊へと変わり、これが長期的にはVMware社とHP社(3Com社買収後に対応の準備を進めている)の提携や連携に対抗する力となっていくだろう。
ラベル: Cisco, Cloud Computing, VMware
Surgient社が仮想ラボ自動化システムからクラウドコンピューティングインプリメンテーションへ戦略を変更(20100125-4)
Surgient社は、ハードウェア仮想化初期の頃、VMware社が技術を主導して本格的に普及させるはるか前に初めて仮想インフラ上に価値を加えてきた新興企業の1社だった。
競合各社と異なり、Surgient社は長年ASP型の仮想ラボ自動化システムプラットフォームを提供してきた。
自社のビジネスモデルを拡大し、顧客が社内に製品をインストールできるようにしたのは2008年9月になってのことだった。
この最初の戦略変更は 競合ベンダーが非常に少ないにもかかわらず、市場が仮想ラボ自動化システムソリューションにあまり関心を示していないことに要因があったかもしれない。
その競合各社の1社がVMware社だということもあまり関係はない。この分野にいたもう1社のStackSafe社は、わずか15カ月間活動しただけで2009年3月には跡形もなく消滅してしまった。
とはいえ、Surgient社は2007年には1カ月あたり100万ドルの売上高をなんとか計上し、2009年8月には新たに430万ドルを調達する幸運にも恵まれた。
今進められている方向性の斬新な変更は、同社が「Virtual Automation Platform(VAP)6.0」を発売し、仮想ラボ自動化システムという具体的な名称を削除し、仮想マシンライフサイクル管理の各種作業に利用できる新しいポリシー主導のセルフサービスポータルを搭載してきた2008年後半に端を発する。
Surgient社では、自社プラットフォームの新しいパーツを保護すべく複数の特許まで申請してきた。
2010年まで話を進めると、同社は5万ドルの割引料金で30日以内にサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)プライベートクラウドを構築するサービスを立ち上げる。
このサービスには、このプライベートクラウドが仮想ラボ自動化システム用だとの記載がなく(違うからだが)、使用ハイパーバイザーの記載もない(Surgient社は「VMware vSphere 4.0」と「Microsoft Windows Server 2008 R2 Hyper-V」の両方をサポートしている)。
詳細で唯一明確なのは、「Cloud Express」には管理対象CPUが30基含まれるということだけだ。
この価格でプライベートクラウドインフラをインプリメントすることはどのベンダーにとっても難しい。2010年最初の記事の1本でvirtualization.infoが詳細を明らかにしているように、クラウドコンピューティングの本来の趣旨には、Surgient社が専門知識を有する自動化だけでなく、SLA、チャージバック、強力なセキュリティ、そして相互運用性も含まれる。
同社がどのようにこれらすべての機能を実現すべく複数の製品を1つにまとめ、本当にクラウドと呼べるものを提供するかは今後明らかになっていくだろう。
この投稿は新たな詳細が分かり次第早急に続報をお届けする。
論文:サードパーティーのクラウドサービスで発生する情報漏えいの探究(20100125-1)
2009年末年、カリフォルニア大学とMITの関係者がマルチテナントのサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)クラウドにおける情報流出リスクについて極めて興味深い14ページの論文を発表した。
「Hey, You, Get Off of My Cloud: Exploring Information Leakage in Third-Party Compute Clouds」(おい、俺のクラウドから出ていけ:サードパーティーのクラウドサービスで発生する情報漏えいの探究)というタイトルのこの論文は、ACM Conference on Computer and Communications Security 2009で発表された。
ここには、「The Rackspace Cloud」(旧Mosso)や「Microsoft Windows Azure」(まだIaaSプラットフォームとは言えないようだが)が登場するが、重点が置かれているのはAmazon Elastic Computing Cloud(EC2)で、クラウドのなかのターゲットになった仮想マシンへの攻撃方法が次の4段階で解説されている。
- クラウドプロバイダーの内部インフラをマッピングする(「クラウド地図作成」)。
- 攻撃対象の位置を特定する。
- ターゲットになった仮想マシンのホスト内に敵意を持った仮想マシンを配置する。
- サイドチャネル攻撃を仕掛けて共有リソースを利用する。
この論文は、「VMを立ち上げるにあたってわずか数ドル程度しか投資をしないと、ターゲットの顧客と同じ物理サーバ上に悪質なVMが配置される可能性が40%ある」と主張している。
そして、最後にはリスクを低減させるためのアドバイスが多数用意されている。
(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)まずクラウドプロバイダーは、ターゲットと同じ物理マシンにVMを配置しようとする敵対者が行動しにくいようサービスの内部構造と配置ポリシーを分かりにくくすることができる。たとえば、プロバイダーが簡単なネットワークベースの共存チェックを抑制するのもよいだろう。
しかし、このようなアプローチは時間稼ぎに過ぎず、熱心な攻撃者を完全に阻止することはできない。2番目に、サイドチャネルの脆弱性に重点を置き、ブラインド(隠し)テクニックを使って流出情報を最小限に抑えるのもよい。このソリューションでは、考え得るすべてのサイドチャネルを予測し、隠しているとの自信を持つ必要がある。結局は、リスクと配置の判断をユーザに直接明らかにするのが最良のソリューションだと思う。ユーザは自分たち独自のVMしかない物理マシンを利用し、その代わり、これらのマシンを十分に活用する機会を失ってもかまわない、と強く主張するかもしれない。最適な配置ポリシーとして、新たなオーバーヘッドが1台の物理マシンのコストを上回る必要は決してないので、(多数のサーバのサイクルを消費する)大口ユーザは総コストの数分の一というわずかな悪影響しか受けない。
ラベル: Cloud Computing, Security
クラウドコンピューティングで過剰キャパシティは不可避か?(20100121-8)
最近は、Amazon社の顧客がElastic Computing Cloud(EC2)で抱えているパフォーマンスの問題がかなり話題になっている。
その発端となったのが、Javaコミュニティーで発言力の大きいAlan Williamson氏だ。同氏は、自身がEC2を3年間利用した感想を興味深く解説している。
Williamson氏によると、Amazon社はEC2の利用者を集めすぎており、現在はクラウドがあまりに混雑しているため、内部ネットワークで深刻な待ち時間が発生し、それが複数の仮想マシンに常駐する多層アプリケーションのパフォーマンスに影響を与えているという。
別のAmazon社の顧客で、OleOle.com社最高技術責任者(CTO)のDavid Mok氏は意見が異なり、パフォーマンスの全体的な低下はクラウドを支える物理ハードウェア(が搭載するCPU)の差によるもので、クラウドプラットフォーム(Amazon社によるXenインプリメンテーション)は完全な抽象化ができないという。
Unisys社の元主任セキュリティアーキテクトで、現在はCisco社でクラウド/仮想化ソリューションディレクターを務めるChristopher Hoff氏も参加して、全体についてコメントしている。
同氏のかなり興味深いポイントは、利用者の過剰定員設定は極めて普通のことで、現代のネットワークはそのようなモデルを基準にして設計されているが、クラウドコンピューティングでは既にテレコムネットワークにあるような過剰キャパシティが問題になっていくという点だ。
同氏はさらに、今日のクラウドコンピューティングにはスループットのSLAのようなものが以下の理由から存在しないことも浮き彫りにした。
(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)…仮想インターフェースは最終的には同じ物理ホスト上のほかのテナントと一緒にバンドルされ、パイプの利用分を奪い合うことになる(たいていは1つ以上のシングルもしくはトランクの1Gビットもしくは10Gビットイーサネット)。計測の面から、どちらも非対称で、バケットサイズなどの要素に左右され、非常に集中するといった事実に加え、ネットワークトラフィック、キャパシティプラニング、利用率を加味する必要がある。
…
今はネットワークよりCPU拡張する方が簡単だと考えると、このことが事情を複雑にする。 (クラウドの場合)ほとんどソフトウェア主導で、プロビジョニングが行われ、調整され、インプリメントされるコントロール画面と、デザインアーキテクチャとして大きくフラットなL2ネットワークを動かす組み合わせのなかに仮想化が加われば、Google社、Amazon社、そしてFacebook社などが非常に密度の高い数テラビットの速度を持つL2スイッチングを切望し、既に100Gビットイーサネットが必要だというのもうなずける。…
ラベル: Amazon, Cloud Computing
VMware社がPythonとvCloud API用のオープンソースJava SDKをリリース(20100121-7)
VMware社は2008年9月、vSphereベースのクラウドコンピューティングインフラを操作するためのAPIセットが将来リリースされることを発表した。
それから1年以上が経過するがvCloud APIは今もバージョン0.8(Citrix社はXen Cloud Platformの開発も芳しくない)のままとなっており、世界中合わせてわずか5社のホスティングプロバイダーしかvCloud Expressのベータインプリメンテーションでこれを使用していない。
それにもかかわらず、VMware社は自社の思い描くクラウドコンピューティングのアイデアこそが業界に幅広く採用されるものになるよう懸命の作業を進めている。
そもそも、同社がAPIをDistributed Management Task Force(DMTF)に提出したのは2009年9月のことだ。
VMware社は、DMTF理事長のWinston Bumpus氏を標準アーキテクチャ担当ディレクターとして迎え入れた2008年6月からこの標準委員会で非常に重要な立場にある。
その上、VMware社は1月20日、vCloud APIに対応したPython用とJava開発者用の2つのオープンソースSDKをリリースした。
さらに、Cloudera社とWebAppVM社の2社も、これらのSDKを使ったvCloud Expressの(ベータ)インプリメンテーションを発表した。
ラベル: Cloud Computing, Standards, VMware
2010年2月初頭の登場が予想されるXen Cloud Platformのアルファ版(20100121-6)
2009年8月に発表された「Xen Cloud Platform」(XCP)は、世界中で複数のホスティングプロバイダーがインプリメントを進める(ベータ版)vCloud Expressインプリメンテーションへと変化したVMware vCloud構想に対するCitrix社の回答だ。
XCPの最初のインプリメンテーション(バージョン0.1)が登場したのは2009年11月だ。
そして今週、Xen.orgコミュニティーは同プラットフォームを多数の改良が行われたバージョン0.1.1へと引き上げる小さな前進を発表した。
同プラットフォームはXen 3.4.2がベースで、Dom0はCentOS 5.4ベースとなった。
いずれにせよ、最も重要なニュースは、このチームがアルファを遅くとも2月初旬には配布する見通しであることだ。
これは素晴らしいニュースではあるものの、このペースでは顧客が何か具体的なもの(XCP 1.0 GAなど)を入手するのが2011年以降となってしまう。また、VMware社のパートナー各社がvCloud Expressインプリメンテーションを「無期限ベータ」状態で開発停止していることを考えると、2010年がプライベートクラウドの年になるという考えは改める必要があるかもしれない。それはおそらく2012年になるだろう。
ラベル: Citrix, Cloud Computing, Xen
Microsoft社とHP社が今後3年間で2億5000万ドルを共同出資することに合意。果たしてその理由は?(20100114-4)
Microsoft社とHP社は1月13日、Hyper-VとSystem Center、Windows Azure、Exchange、SQL Serverなど、複数の分野に2億5000万ドルを投資する3年契約を発表した。
このような発表(もう1つの例としてEMC社との3年提携を参照)で問題になるのは、そのような提携の前後の違いを本当に理解する声が(全くないとはいかなくても)ほんのわずかである点だ。
プレス発表の文言も全く参考にならない。
Microsoft社とHP社は既にかなり良好なパートナー関係にあり、何年も前からそうであったように、顧客は全く新しいHP社のサーバには購入時点でMicrosoft社製品を搭載するオプションが用意されているものと想定している。
したがって、今回の提携には何らかの説明が必要になってくる(もちろん、われわれはHyper-V、System Center、そしてAzureに重点を置いていく)。
- この投資の一部は、Hyper-V Server、System Center Essentials、HP Virtual SANアプライアンス(旧Lefthand Networks)、HP Flex Fabric、そしてHP Operations Centerなど、新しい統合製品関連の開発に投じられる。
具体的に、HP社はHyper-Vを、ProLiantの顧客に対して単にコンフィギュレーション済みのオプションとして提供するのではなく、今後のバンドルでOEM供給を受けられるようになった。さらに、HP社ではSystem Center EssentialsとSQL ServerもOEM供給を受けられるようになった。 - また、投資の一部は前述の製品の販売とサポートを行う(全世界規模の)販売チャネルと専門サービスの強化に充てられる。
販売チャネルへの投資は実際の10倍に達するようになるだろう。 - 発表ではこれまで、Microsoft社がWindows Azureクラウドインフラ用にHP社のProLiantとBladeSystemsを購入することが強調されてきた。
だからといって、HP社が現在、そして将来もAzureの唯一のハードウェアプロバイダーになるわけではない。
Steve Ballmer氏とMark Hurd氏はこの提携が議論されたのは2年以上前で、承認されたのも2009年4月だったと明言しているが、それが実施に至ったのはVMware-Cisco-EMC(VCE)の提携が大きく影響した可能性が非常に高い。
HP社の首位の座は、Cisco社のサーバ市場参入によって脅かされている。それは主に、Cisco社が基本部分だけでなく、ほかのベンダー各社とのやりとり不要の完全なハードウェア/ソフトウェアプラットフォームも販売しようとしているためだ。
名目上、これでデータセンタの管理者はだれもが安心できる。
今のところ、このプラットフォームはvSphere、Unified Computing System(UCS)ブレードシステム、そしてIonix Unified Infrastructure Manager(EMC社が好意的に開発してくれたスーパーコンソール)の「シンプルな」バンドルに限定されている。
しかし、これら3社はもうすぐVMware vCloud APIを完全統合したインプリメンテーションを投入し、これを具体的なプライベートクラウド施設(Vblock 4か?)に変えてくる可能性がある。
HP社は最初にこれを実行する機会を逃しただけではなく、重要なパートナーであるVMware社も(やや)距離を置いて他社とクラウドのビジョンを進めている。
そこで、HP社は3Com社を買収し、エンタープライズグレードのネットワーキング製品を強化し、Microsoft社と協力していく強い意気込みを発表している。
ターゲットになるのはVCE Vblockサービスだけではない。仮想化市場の投資は専門サービスに集まっている。したがって、Cisco社とEMC社が設立したジョイントベンチャーもターゲットになってくる。Acadia社だ。
この提携の深層にあるのはVblockをつぶす驚くべき新仮想化プラットフォームの開発ではない。Cisco社によるVblockの大量販売を防ぐことが目的なのだ。
ラベル: Alliances, Cloud Computing, HP, Microsoft
Microsoft社がWindows Azureを投入(仮想マシンは未搭載)(20100106-1)
ついに、Microsoft社が「Windows Azure」を投入してきた。「Google App Engine」のような製品と競合するサービスとしてのプラットフォーム(PaaS)クラウドコンピューティング製品だ。
同社は2009年第3四半期、Azureが単なるPaaSクラウド以上のものになり、まさにAmazon社が「Elastic Computing Cloud(EC2)」でしているように(Hyper-V)仮想マシンをホスティングすることを明かした。ということは、これはIaaSとPaaSクラウドのハイブリッドだということになる。しかし、Microsoft社はIaaS製品が2010年当初にPaaS製品と一緒に投入されるかどうかを明らかにしなかった。
このことを探り出すべく、virtualization.infoはAzureについて詳しく調査した。
まず注目すべきは、その料金スキーマだ。
ご覧のように、無償で利用可能なエントリーレベルパッケージ(「Introductory Special」)が用意されている。
これにはスモール・コンピューティングインスタンス(Amazon社の製品が自社の仮想マシンを指す言葉を連想する)が付属する。
各パッケージに含まれるAzureの機能を詳しく分析すると、Microsoft社のコンピューティングインスタンスは仮想サーバに匹敵することが確認できる。また、Amazon社同様、同社も3つのレベルを顧客に提供している。
さらに、Amazon社同様にデフォルトではそれぞれの顧客はスモール・コンピューティングインスタンス(あるいは同等のコンピューティングリソース)が最大20に制限されている。これ以上必要な場合はリクエストしなければならない。
われわれがMicrosoft社の新規顧客として登録し、無償の「Introductory Special」を購入すると、自分のアカウントでクラウドを使うための準備の完了確認を待つことになった。だがわれわれの場合、この処理にはわずか10分しかかからなかった。
これで、Azureのコントロールパネルを利用して必要なサービスのプロビジョニングを行えるようになった。
ここにあるのはStorage Account(ストレージアカウント)とHosted Services(ホストサービス)の両オプションだけだ。後者を選択すると、アプリケーションとコンフィギュレーションファイルをアップロードするよう指示があった。
「Introductory Special」プランに含まれるこのスモール・コンピューティングインスタンスをホスティングされた仮想マシンとして自由に利用する方法がないことは明らかだ。
同じく、PDC 2009の基調講演でRay Ozzie氏が示唆しているように、前述の「Storage Account」サービスを使って既存の仮想マシンをアップロードすることもできない。したがって、IaaSサービスはまだ有効になっていない。
ラベル: Cloud Computing, Microsoft
クラウドコンピューティングに対するVMware社のアプローチ(20100104-2)
2010年はクラウドコンピューティングの年になるという声は多い。ちょうどクラウドコンピューティングの定義のように、これが実際にどのような意味なのかは明確でない。
問題は、クラウドコンピューティングが既にあまりに多くのことを意味し、市場が存在さえしていない点だ。
業界の意見は、わずか3つの主要アーキテクチャ(例も並記する)によってクラウドコンピューティングを認識することで何となく一致している。
- サービスとしてのソフトウェア(SaaS)
SalesForce CRM
Google Apps - サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)
Google App Engine
Microsoft Azure - サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)
Amazon EC2
Rackspace Cloud
しかし、「サービスとしての」という表現がこれら以外の多数のことに当てはまるのが現実であり、ベンダー各社のマーケティング部門は仮想化が出現する過程でこのような手法を嫌というほど知ってしまった。
つまり、たとえば、サービスとしてのデスクトップ(DaaS)とかサービスとしてのコンピュータ(CaaS)といったものもある。後者は汎用の仮想マシンではなく仮想デスクトップを提供するだけのIaaSアーキテクチャに過ぎない。オンデマンドのVirtual Desktop Infrastructures(VDI)と言うようなものだ。
われわれは、既に述べたように市場がまだ発展段階にあるため、これらの亜種を何とか理解することができる。顧客が支出を最低限に抑えようと考え始めるとすぐに各方面で多数の「○aaS」製品が登場し始め、この状況はいずれさらに悪化するだろう。
同様に、「クラウドコンピューティングの年」はあまりに多くの意味を持つかもしれない。
これは、「一部の初期導入者が本番環境で使い始めるかなり限定的だが現実的な製品の開発に3、4社の主力クラウドプロバイダーが着手する年」になるのだろうか?
それとも、「設備を入れ替えてクラウドプロバイダーに変身するウェブホスティングプロバイダーやASPが100社以上増え、クラウドコンピューティングは目の前に設備が整ったデータセンタに代わる信頼できる選択肢だと顧客が感じ始める年」になるのだろうか?
あるいは、「1000社以上の新しいベンダーがどこからともなく登場し、信頼性と安全性の高さが実証されたクラウドプラットフォームを提供する年」になるのかもしれない。
どの定義を選ぶかによって、われわれが設定できる期待値も大きく変わってくる。
クラウドコンピューティングを可能にする技術をプロバイダーがどれだけ簡単に利用できるかにこの市場の成長がかかっていることは確実だ。
プロバイダーがゼロからインフラ全体を構築したいと考えているならば、それはどのクラウドアーキテクチャを選んでもかなり大変な作業になるだろう。しかし、プロバイダーが既存の技術を活用する考えならば内容は変わってくる。
SaaSプロバイダーになりたいならPaaSクラウドをベースにして構築するといいかもしれない。
PaaSプロバイダーになりたいならIaaSクラウドをベースにして構築するといいかもしれない。
IaaSプロバイダーになりたいなら仮想化をベースにして構築するといいかもしれない。
ハードウェア仮想化のプラットフォームはIaaSやPaaSのアプローチと比較して次第に低価格化しつつあるが、参入コストはIaaSクラウドが最も高い。
仮想インフラをIaaSクラウドに変えるには、ハイパーバイザー(大半の場合は無償)と堅牢な管理レイヤ(一部は無償の場合もあり)だけでは十分ではないのが事実だ。
サービス内容合意(SLA)を実践するツール、データセンタオーケストレーション、ペイ・パー・ユースモデルのチャージバック、より強力なマルチテナント用セキュリティレイヤ、相互運用API、そしてもちろんエンドユーザ用に簡略化されたフロントエンドのニーズは高い。
VMware社は2008年、IaaSクラウドで真っ先に選ばれる技術バックボーンになるという自社の計画を発表した。Terremark社への2000万ドルの出資やSpringSource社の買収は、重要な地位を占めるPaaSプロバイダーにもなりたいという彼らの考えを明確にしている。
では、クラウドコンピューティング市場の成長を加速させるためにVMware社は自社製品でどのような構想を進めているのだろうか?(部分的ながら)この疑問を解決するには、VMworld 2009で製品管理担当シニアディレクターのWilliam Shelton氏が行った「TA1402 -Unveiling New Cloud Technologies」(新しいクラウド技術を明らかにする)というプレゼンテーションが役に立つ。
vSphereベースのでIaaSクラウドでVMware社が計画中のアーキテクチャがこれだ。
ご覧のように、仮想マシンの移行はインターネット上で行われる。vCloudは、まとめられてレジュームも可能なアップロードを、Javaクライアントを搭載してvCenterプラグインにもなるブラウザでサポートする。
VMware社はさらに、セキュリティ向上のために転送時の検疫処理も検討した。
VMware vCloudはどの程度まで大きくなるのだろうか?理論上では最大2万5000の仮想マシン/データセンタが動作するがユーザ/オープンコンソールはわずか2000で、顧客も5000社に過ぎない。
vCloud APIは多数のタスクに対応するものが用意され、新しいvCenterのプロビジョニングを可能にする(データセンタあたりわずか25):
- vAppsのアップロード/ダウンロード/管理
- 棚卸し一覧
- カタログ管理
- タスク管理
- 自動化
また、VMware社が既にvCloud ExpressとGoで示しているように、この製品にはエンドユーザがブラウザを使って管理できるようになるフロントエンドインターフェースが付属する。
ネットワーキングでは、マルチテナントをサポートするIaaSクラウドで最も複雑なことの1つであり、全く同じネットワークコンフィギュレーションでも共存できる複数の隔離されたVMの導入を可能にするフェンシング技術を投入している。
VMware社のLab Managerをはじめ、市場にあるすべての仮想ラボ自動化システム(VLA)製品で利用されているフェンシングは、同じデータセンタ内の複数の顧客が同じネットワークを共有するのに利用される。
その上で、VMware社はネットワークデバイス(ND)というルーティング、NAT、そしてファイアウォールの各機能を提供する仮想アプライアンスの存在をサポートしている。
アプリケーションのプロビジョニングを簡略化するため、VMware社はエンドユーザがあらかじめコンフィギュレーションされたテンプレート、vApps、あるいはインストレーションメディア(CD/DVDのISOおよびフロッピーイメージ)を選んで導入できるサービスカタログを提供する。
IaaSクラウドのもう1つの非常に複雑な側面である請求処理は、2つの方法で管理される。顧客がCPU、RAM、およびストレージ資源用に購入した最大アロケーション量(その月の使用/不使用は問わない)での課金か、あらかじめコンフィギュレーションされ、サイズで整理された(Amazon社がEC2内で提供するVMとまさに同じように大、中、小などを使用)コンテナの購入ができる。
プレゼンテーションによると、2009年9月にはvCloud APIを使って活躍するホスティングプロバイダーが世界で5社あった。
- Terremark社(米)
- Hosting.com社(米)
- BlueLock社(米)
- Logica社(EMEA)
- Melbourne IT社(アジア太平洋地域)
VMware社が今日主要プロバイダーとしているのがこれら5社の企業だ。
いずれもvCloudを限定ベータとして提供している。
ラベル: Cloud Computing, VMware
Microsoft社が2010年3月にクラウドツールキットを投入へ。Azure IaaSもか?(20091217-1)
前回のMicrosoft社主催のPDCカンファレンスで、同社チーフソフトウェアアーキテクトのRay Ozzie氏は、まもなく開始されるWindows Azureクラウドコンピューティングプラットフォームのなかに自分の(Hyper-V)仮想マシンをアップロードできるようになることを明らかにした。
Ozzie氏はさらに明確に、Microsoft社がXenベース(Amazon EC2のようなもの)やVMwareベースのクラウドアーキテクチャが提供するホスティングモードをサポートしていくとしたものの、そのほかのIaaSコンポーネントの投入時期やその仕組みの詳細については明かさなかった。
われわれが確実に把握しているのは、顧客が仮想データセンタを拡張してAzureクラウドに移行するのを誘導するツールキットの準備をMicrosoft社が進めていることだけだ。
だが、今度はこのツールキットの登場が2010年3月になることも判明した。
また、AzureのPlatform-as-a-Service(PaaS)コンポーネントは2010年1月1日に投入される。もしかすると、Microsoft社はInfrastructure-as-a-Service(IaaS)も発表する計画で、それの登場も3月になるかもしれない。
ラベル: Cloud Computing, Microsoft
Microsoft社がサーバ/クラウド事業部を新設(20091210-2)
Microsoft社では、いずれもXenをベースにするAmazon EC2やRackSpace Cloud、およびそのほかのVMware vSphereベースのサービスとしてのインフラ(IaaS)クラウドサービスに代わるAzureサービスの立ち上げ準備が確実に進められている。
virtualization.infoでは、9月末に初期の兆候をいくつか把握しており、同社のチーフソフトウェアアーキテクト、Ray Ozzie氏が2週間前に計画をあっさりと認めた。
NetApp社も一定レベルで関与しているようだ。
IaaSクラウド戦略の内容を示唆するもう1つのヒントは、2日前にリリースされた公式発表にある。Windows AzureグループとWindows Server/ソリューショングループが統合され、Bob Muglia氏率いるサーバ/ツールビジネス事業部傘下の新しいサーバ/クラウド事業部(SCD)となった。
詳細は次の通り。
- Windows Azure開発チームは、チーフソフトウェアアーキテクトであるRay Ozzie氏の指揮下から、サーバ/ツールビジネス事業部本部長のBob Muglia氏率いるサーバ/ツールビジネス事業部へ移る。 新設のSCDは、シニアバイスプレジデントでMuglia氏直属のAmitabh Srivastava氏が指揮を執る。
- コーポレートバイスプレジデントのBill Laing氏率いるWindows Server/ソリューショングループは、Windows Azureチームに合流してサーバ/クラウド事業部となる。 Laing氏はSrivastava氏の指揮下に入り、STB首脳部のメンバーとして引き続き重要な役割を担う。 Laing氏はSrivastava氏と組み、Microsoft社のソフトウェア +サービス戦略にとって重要な設計目標であるWindows ServerとWindows Azure両者間の技術相互共有を行う。
- Windows Azureのビジネス/マーケティングチームは、引き続きDoug Hauger氏が指揮を執る。 Hauger氏は、Windows Server、System Center、そしてForefrontも担当するコーポレートバイスプレジデントのBob Kelly氏直属で、同じくコーポレートバイスプレジデントのRobert Wahbe氏が率いるサーバ/ツールマーケティンググループに合流する。
ラベル: Cloud Computing, Microsoft
セキュリティ:ENISA Cloud Computing Security Risk Assessment(20091125-5)
ENISA(European Network and Information Security Agency:欧州ネットワーク情報セキュリティ庁)は先週、各種クラウドコンピューティングインフラのセキュリティリスク評価を公表した。
123ページにわたるこのレポートは、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、そしてサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)の各アーキテクチャに隠れた新たなリスクの分析を行い、クラウドコンピューティングサービスへのSME移行、サービス災害対策力に対するクラウドコンピューティングの影響、そして電子政府におけるクラウドコンピューティングの採用という3種類のシナリオについて評価している。
virtualization.infoは同プロジェクトに直接関与し、主にIaaSクラウドに関する部分で貢献した。
この資料は、クラウドコンピューティングの採用に関するビジネスや技術面のリスクだけカバーしているわけではない。また、どの会社にも確認することをお勧めしたい貴重な法的アドバイスも含まれている。
この白書に参加した注目すべき貢献者の一覧を以下に示す。
- Alessandro Perilli|virtualization.info社
- Andrea Manieri氏|Ingegneria Informatica社
- Avner Algom氏| イスラエルグリッド技術協会
- Craig Balding氏|Cloudsecurity.org
- Guy Bunker博士|Bunker Associates
- John Rhoton氏(独立コンサルタント)
- Matt Broda氏|Microsoft社
- Mirco Rohr氏|Kaspersky社
- Ofer Biran氏|IBM社
- Pete Lindstrom氏|Spire Security社
- Peter Dickman博士、エンジニアリングマネージャ|Google社
- Philippe Massonet氏| 保菌プロジェクト、CETIC社
- Raj Samani氏| 英ISSA(Information Systems Security Association)
- Simon Pascoe氏|British Telecom社
- Srijith K. Nair氏およびTheo Dimitrakos氏| BEinGRIDプロジェクト、British Telecom社
- Simone Balboni博士| ボローニャ大学
- Paolo Balboni博士|Baker&McKenzie社 - ティルブルフ大学
- Kieran Mccorry氏|Hewlett Packard社
- W. David Snead、専門職法人(独立弁護士)
このほかにも、英国民保健サービス(NHS)技術局、RSA社およびSymantec社、そしてSymantec Hosted Servicesの関係者が貢献している。
ラベル: Cloud Computing, Security
Xen Cloud PlatformとVMware vCloud ExpressがVMworldで発売へ(20090830-1)
先週はじめ、Amazon社は同社の「Virtual Private Cloud(VPC)」製品群を発表した。これはXenベースのElastic Computing Cloud(EC2)をセグメント化したバージョンで、VPN回線でのみ接続可能となっている。
今VPCを投入することには少なくとも2つの理由があった。もちろん、EC2が登場3年目の節目ということもあるが、VMware主催のカンファレンスで2009年はクラウドコンピューティングを重要視することになるVMworld開催の前週ということが大きい。
実際、Xen.orgとVMware社は、「Xen Cloud Platform(XCP)」および「VMware vCloud Express」という2つの新しい解説策を投入する。
XCPは同ハイパーバイザーをクラウドコンピューティング用プラットフォームとして拡張するツールセットで、当然オープンソースとして配布される。また、Citrix社、HP社、Intel社、Novell社、そしてOracle社を含むXen.org諮問委員会の全メンバーによってサポートされる。
Xen Cloud Platformは新旧のソフトウェアを1つのパッケージにまとめることになるのだが、正確に何がこのプラットフォームに組み込まれるのかについては今のところ明らかになっていない。
ただし、XCPがDMFTの新旧の標準をサポートすることは確実だ。あらゆるサードパーティーハイパーバイザー(Citrix社、VMware社、Microsoft社など)から仮想マシンを読み込み、それらを統合クラウド全体に移行するOVF や、まもなく登場するVMANインターフェースなどだ。
VMANのサポートだけではプライベート仮想データセンタからパブリックもしくはプライベートのXCPクラウドへのシームレスな移行はできないので、同プラットフォームが仮想マシンのライブマイグレーション機能を複数サポートする可能性は非常に高い。
さらに、XCPは登場したばかりのOpen vSwitchも統合する。これは、「vSphere 4.0」で「Cisco Nexus 1000V」が提供するものに似た機能を実現するオープンソース仮想スイッチ。
XCPはマルチテナントのクラウドサービスをサポートする高度なストレージ機能も用意するが、それは、Citrix社が「StorageLink」技術の一部をオープンソースでリリースしてプロジェクトに参加することを意味する。
標準化されたインターフェースとオープンコンポーネントの存在は、近い将来、どの市販製品でもXen Cloud Platformに対応して拡張や管理ができるようになることを意味する。
そして、これにはAmazon EC2や「RackSpace Cloud Servers」(旧Mosso)などの既存のクラウドのほか、VMware社などのベンダーが発売する各種製品も含まれる。
もちろん、Citrix社がXCP対応版Essentialを発売するのは完全に想定内だが、Xen Cloud Platformが「Eucalyptus」(NASAが採用)や「OpenNebula」などのオープンソース管理ソリューションをサポートしていくことも先刻承知だ。
VMware vCloud Expressの存在は、数日前にForbesによって明らかにされたばかりだ。
Forbesはこれを「vCloudサービスの運用を開始するための簡単な方法の1つ」と説明しているが、今のところ、これに関するニュースはほかにはない。
VMware社は今週はじめに同製品を正式に発表するとみられている。
ラベル: Citrix, Cloud Computing, VMware, Xen
Google社がクラウドコンピューティングの仮想化を巡りVMware社に反撃(20090429-6)
Google社がハードウェアの仮想化にあまり熱心でないことはだれもが知っていることだ。このことは、同社エンジニアのAndre Barroso氏が以下のように述べて2007年6月に明確にしている。
(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)同氏は「仮想化を利用しなければならないのでは悲しくなる。絶対に使うことはないとは断言できないが、今は本当に使っていない...」と語っている。
Google社に技術を支持してもらえるのは大きな意味を持つが、これまでのところ仮想化ベンダー各社は同検索エンジンの支持を得ることなく生き残っている。
しかし、Google社が第一人者だとされるクラウドコンピューティング分野への参入をVMware社が2008年末に決定しただけで両社間にわずかな対比が生まれた。
VMware社の最高経営責任者(CEO)、Paul Maritz氏はVMworld Europe 2009でクラウドコンピューティングに対するGoogle社のアプローチに言及し、生き残る道は仮想化しかないと述べた。
同氏は具体的に次のように述べている。
うまく拡張を行うにはアプリケーションやハードウェアの設計を見直すしか方法がないことを彼らは分かっていない。
世界中の報道機関が今年の新しい誇大宣伝対象(グリーンコンピューティングはもう時代遅れだ)としてしつようにクラウドコンピューティングの話題を取り上げ続けるのを受け、4月28日になってGoogle社が回答を出してきた。
同社は28日、VMware社の主張に対する明確な回答に思われるものとして以下を公開した。
…
われわれは数千万人のユーザにサービスを提供しているので、拡張が可能で、その負荷をサポートするために極めて効率的に動作するインフラの構築が必要だった。データセンタのデザインに関する3つの分野を考えたい。サーバのデザイン、エネルギー効率、そして業務の拡張だ。
プライベートデータセンタの仮想化アプローチでは、会社が1台のサーバを多くのサーバに分割して効率性を高める。われわれはそれと反対のことをする。経費のかからない消耗品的なシステムを多数用意してそれを1台の大型スーパーコンピュータにまとめあげるのだ。われわれは、不要なコンポーネントにコストがかからないよう、サーバを必要最小限の数に分割する。たとえば、この環境において不要になるビデオグラフィックチップを搭載しないサーバを用意するのだ。さらに、エンタープライズハードウェアコンポーネントは信頼性をかなり高く設定してデザインされているが、信頼性は100%ではないため、企業はその保守に多くの時間とコストをかける。対照的に、われわれはハードウェアは障害を起こすものと想定し、ハードウェアが実際に障害を起こしたときには顧客が別のサーバに乗り換えるだけでよいよう、ソフトウェアのデザインで信頼性を追求する。こうすることで、消耗品的なパーツとオンボードストレージを利用してサーバの経費をさらに引き下げることができる。さらに、部品が障害を起こしてもサービスの提供を素早く再開できるよう、システムは簡単に修理可能なデザインにしている。
データベースや大規模バックエンドシステムでは、企業は伝統的に大型で信頼性の非常に高いハードウェアを中心に運用してきたが、この戦略では経費の影響が非常に大きい。たとえば、4基のクアドコアCPU、600Gバイトの容量を持つハイエンドのSCSIストレージ、そして16Gバイトのメモリを搭載したシステムは、低価格のSATAストレージを搭載した4分の1のサイズのシステムの8倍のコストがかかる。これは、ハードウェアが大型化し、信頼性が高まると、そのコンポーネントの価格が急激に上昇するためだ。ソフトウェアに信頼性の部分を組み込むことにより、大幅に安価なハードウェアプラットフォームを使用しながら、顧客に同じ信頼性を提供することができている。
…
クラウドコンピューティングの経費面の利点は素晴らしいが、いろいろな意味でもっと重要な利点がある。技術革新の早さだ。ITシステムは一般的に進化が遅い。仮想化モデルでは、企業はパッケージソフトウェアを運用し、それに伴う負担に耐えなくてはならない。彼らが大幅な機能強化を受けるのは2、3年に1回に過ぎず、その一方で、毎月のパッチサイクルや骨の折れるシステム全体のアップグレードにも耐えなくてはならない。われわれのモデルでは、IT管理者たちが自分たちでアップグレードすることを余儀なくされることなく、技術革新を早急に投入することができる。たとえば、Google Appsでは特に管理者が介入する必要もなく、2008年中に60種類以上の新機能を投入した。
満足感を得るのに待たされた時代はもう終わりだ。インターネットにより、ユーザのニーズを取り入れ、ITの短いサイクルを可能にし、これまで不可能だったシステムとの統合を可能にする技術革新は途切れることなく提供されるようになった。これにより、メジャーアップグレードは過去の遺物となり、顧客のコストパフォーマンスは一気に上がった。
プライベートデータセンタと拡張可能なクラウドをはかりにかける企業各社は、クラウドと同じような経済性、保守性、技術革新ペースは見つかるだろうか、という簡単な自問をしてみたい。
VMware社もこれに回答したくなるかもしれない。
ラベル: Cloud Computing, Google, VMware
クラウドコンピューティングに乗り遅れないMicrosoft社(20081007-9)
ここ数年の間、多くの企業がクラウドコンピューティングのメリットを公言し、それを実現するための複数の取り組み(場合によっては製品も)を発表してきた。
仮想化は幅広く普及するアーキテクチャ構築の基盤になると思われるため、他社よりも関連性のあるVMware社は便乗戦略の立ち上げに向けたかなり特殊な位置にいる。 。また、同社の便乗戦略は、はっきり言ってこれまでのものより格段に優れているように思われる。
同社のライバルであるCitrix社も時間を無駄にせず、XenServerがクラウドにも対応することを発表したし、相棒のMicrosoft社も乗り遅れることはできなかった。
Microsoft社は、10月末にカリフォルニア州ロサンゼルスで開催されるProfessional Developers Conference(PDC)2008で、クラウドコンピューティング対応版のWindowsを公開する。
これが何らかの仮想化技術を利用するのかどうか、そしてこのバージョンが製品版にどれほど近いものなのかは分からないが、発表されたばかりのVMware社のロードマップへの回答がこの製品であることをMicrosoft社が示唆しているのは明らかだ。
Steve Ballmer氏がホスティング版のソフトウェアに具体的に言及したように、同OSはアプリケーション仮想化製品の「App-V」(Softricity社が2006年に買収した旧「SoftGrid」)と密接に統合される可能性がある。
App-Vは現在デスクトップ版しか用意されておらず、それはサービスとしてのソフトウェア(SaaS)の提供には十分ながら、クラウドコンピューティングスタックの構築には不十分なものとなっている。
それにもかかわらず、virtualization.infoではMicrosoft社がApp-Vをサーバに移植すべく作業を進めていることを既に浮き彫りにしており、そこでは「Hyper-V」が既に待っている。
いずれにせよ、もしMicrosoft社が本当に仮想化によってクラウドコンピューティングに早急に進出したいと考えているならば、不足している(多くの)機能を補うべくその分野で多数の買収を進めるか、多数のパートナーに早急に対応を呼びかける必要がある。
ラベル: Cloud Computing, Microsoft
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