VMware社、Cisco社、そしてEMC社がVirtual Computing Environment連合を結成する理由(20091104-1)
かねてからの予測通り、11月4日の今日、VMware社、Cisco社、およびEMC社の3社は、Virtual Computing Environment(VCE)」連合と呼ぶ特殊な提携を発表した。
このトリオは、「Vblocks」と呼ばれる多数のバンドルパッケージのコンポーネント、トレーニング、そしてコンサルティングを共同投資により販売する。
VCEは、Accenture社、Capgemini社、CSC社、Lockheed Martin社、Tata Consulting Services社、およびWipro社のシステムインテグレーター6社が既に名を連ねるパートナーエコシステムにも依存していくことになる。
Vbocksは、顧客のデータセンタへの導入もしくはネット上でのホスティングが可能になっている。
これらの設計や、顧客に代わる運用代行、あるいは単純にホスティング施設から顧客のデータセンタに移行するために、Cisco社とEMC社はAcadia社と呼ばれる専用のジョイントベンチャーを立ち上げている。
Acadia社にはVMware社とIntel社も出資しており、同社は2010年に業務を開始することになる。
Acadia社ではなく前述のシステムインテグレーター各社が対応できない理由は明らかでない。
VCEはその活動を開始する時点で3つのVblocksを提供する。
- Vblock 0
2010年に登場するエントリーレベルのコンフィギュレーション
300から800台の仮想マシンをサポート
「Cisco UCS」や「Nexus 1000v」、EMC社の「Unified Storage」(RSAがセキュリティ対応)、「VMware vSphere」プラットフォームを利用 - Vblock 1
中規模のコンフィギュレーション(発売日は不明)
800から3000台の仮想マシンをサポート
「Cisco UCS」や「Nexus 1000v」、EMC社の「CLARiiON」ストレージ(RSAがセキュリティ対応)、「VMware vSphere」プラットフォームを利用 - Vblock 2
ハイエンドのコンフィギュレーション(発売日は不明)
最大3000から6000台の仮想マシンをサポート
「Cisco UCS」、「Nexus 1000v」、および「Multilayer Directional Switches」(MDS)、EMC社の「Symmetrix V-Max」ストレージ(RSAがセキュリティ対応)、「VMware vSphere」プラットフォームを利用
VCEは、共有サービス、アプリケーション、および垂直業界ソリューション用に新たなバンドル製品の開発および販売を徐々に進めていく。
関心が最も集中するのは「共有サービス」と「アプリケーション」になるはずだ。そこに登場する可能性があるのがVMware社が500万ドルを出資したホスティングプロバイダーのTerremark社と、VMware社が8月に4億2000万ドルで買収したSpringSource社だ。
VblockはすべてISO 27001に準拠となる。
これらのデータセンタパッケージ全体を管理するため、EMC社は「Ionix Data Center Insight」と呼ばれる新しい管理製品を発売する。
IonixはvSphereやUCS管理コンソールに代わるものではないが、これらのコーディネートを行い、これらを仮想マシン内のイベントをコントロールするアプリケーション管理スタックと結びつける。
この提携に関する最も重要な疑問は、VMware社、Cisco社、そしてEMC社が自社製品を市販バンドル製品として実証および販売する目的で連合を組まなければならない理由だ。
これら各社のアーキテクトたちは、顧客が新しいデータセンタを設計する際に利用できる共同実証済みのインフラ原案を既に作成済みだ。
各社の一部のチャネルでは、理にかなう分野では既に共同でソリューションの販売を行っており、これらの製品が一緒になることで一段とうまく機能するようならばその数は増えていくだろう。
各社の顧客は、クラウドコンピューティングやプライベートクラウドの概念を受け入れるための新しいブランドやマーケティング資料など望んでいない。Cisco社だけでも(サーバの販売は)関心や懸念をどうこう言うほどの経験がない。
この動きに関しては、VMware社は多くのリスクを負っている。
HP社だけでも仮想化サーバ全体の36%を販売している。さらに、同社にはEDSもある。
Dell社は、VMware中心のDell社仮想化ポートフォリオを販売すべく世界有数の規模を誇るコンサルティング会社のPerot Systems社を買収したばかりだ。
IBM社も、Red Hat社とその新しいKVM中心の製品群を考慮しなくてはならず、同社は世界的規模で危険なライバルになりかねない。
virtualization.infoでは数カ月前、VMware社はBMC社、CA社、HP社、およびIBM社と競合するインフラ管理会社へと徐々に変容しつつあるのかもしれないという記事を公開している。
もしかすると、このような野望を抱いているのはVMware社ではなくEMC社の方かもしれない。Ionix社がそれを暗示しているように思われる。
そして、Cisco社も同様の野望を抱いている可能性があり、いずれも仮想レイヤをコントロールすることなく2010年にインフラ管理会社となることはできないため、VMware社の参加は必須となる。
もしかすると、VCE連合は将来的な合併の実証に向けて大きな成果を上げるための試みに過ぎないのかもしれない。
VMware社もCisco社もEMC社も、今日の市場においてはすべて中立的な立場にある。
いずれも、Microsoft社を含む(もちろんVMware社は除く)エコシステム全体(直接の競合各社は除く)と揺るぎない関係を築いている。
この連合が大きく変化することはないようだが、実際に合併することになれば、これら各社の行動は劇的に変化する。そして、株主らはこの行動が既存の市場提携を捨てる価値のあるものとは考えないかもしれない。
しかし、もし連合が1年から1年半で驚くべき成果を上げることができれば、新しい「Ciscoware」の正当化はかなり楽になるだろう。
この合併が実現するかどうかを静観する間に、これまでMicrosoft社やCitrix社ではなくVMware社を選んでいるほかのOEM各社に対してこの連合が与える影響を再考する価値はあるだろう。
多数の聡明な人々は、この提携では何も変わらないが、Cisco社がVMware社株を多数保有していること、Intel社とVMware社が新しいAcadiaジョイントベンチャーに投資したばかりであること、そしてVMware社が販売チャネルに向けて次のようなメッセージを出したばかりであることを思い起こす価値はあると示唆している。
…Virtual Computing Environment連合は、資本金と営業経費の大幅な縮小を約束する劇的な効率によって、あらゆる規模の企業や組織にデータセンタ変換の迅速なアプローチを提供する。その結果、企業や組織は最高品質の技術かベンダーが包括的に責任を持つかのどちらか1つをあきらめることがなくなる。…
HP社、Dell社、そしてIBM社がこれを問題視するのかどうかは何とも言えない。
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