Red Hat社がEnterprise Virtualization HypervisorとVirtualization Manager for Serversをリリース(20091104-2)
Red Hat社は11月3日、KVMベースのプラットフォームとエンタープライズ仮想化マネージャを含む新しい仮想化製品の発売をようやく発表した。
同社は既に、(アーキテクチャの技術的違いはあるものの)「Microsoft Windows Server 2008」が「Hyper-V」を組み入れている手法と同じ方法でKVMを組み入れた「Enterprise Linux(RHEL)5.4」を9月中旬にリリースしている。
ただ問題は、KVM搭載のRHEL 5.4では「VMware ESX」や「Citrix XenServer」のような軽量の専用プラットフォームと競合するのに十分ではない可能性がある点だ。さらに、RHEL 5.4には顧客が大規模仮想データセンタのコントロールに利用可能なエンタープライズ管理ツールが不足している。
そのギャップが「Enterprise Virtualization Hypervisor(REVH)」と「Enterprise Virtualization Manager for Servers(REVMS)」のリリースによって今日解決された。
REVHはRHEL 5.4の機能縮小版で、次のような特長がある(一部):
- VT/EPTおよびAMD-V/RVIのサポート
- 最大64個の物理CPU(最大256コア)をサポート
- 最大1Tバイトの物理RAMをサポート
- 最大16個の仮想CPUをサポート
- 最大64GバイトのvRAMをサポート
- メモリオーバーコミット(Linux Kernel Same-page Mergingによりページ共有限定)のサポート
- 物理NICのボンディングとマルチパスI/Oをサポート
- NFS、iSCSI、およびFibre Channelのサポート
- RHEL(3から5)およびWindows(2003、2008、およびXP)ゲストOSのサポート
WindowsゲストにはRed Hat社がVirtIO標準ベースで、SVVP認定によりMicrosoft社認証済みの準仮想化(ネットワークおよびブロック)ドライバを提供。
Red Hat社のレポートによると、KVMは1台のホストで最大600台の仮想マシンを処理できるという。
そのレポートによれば、そのKVMベースのプラットフォームは1台のホスト(32コアと1Tバイトの物理RAM搭載)で400台以上の仮想マシンを処理できるという。
同社はさらに、SAPやOracle Databaseといったミッションクリティカルなワークロードでは実際のハードウェアパフォーマンスの最大95%に到達できるとも主張している。
REVMSの方は以下の機能をサポートする。
- 仮想マシンのライブマイグレーション(NFS、iSCSI、およびFC共有ストレージ経由対応)
- 仮想マシンの高可用性(ホストが停止してもその仮想マシンはすべて同じクラスタ内の別のマシン上で再開される。ホストのパワーマネジメントにIPMI、Dell DRAC、
HP iLO、IBM RSA、あるいはBladeCenterのような帯域外の管理インターフェースが必須) - 仮想マシンのダイナミックリソース管理(ストレージ、ネットワーク、およびコンピューティング機能がリソースプールに集約可能。System Schedulerがシステムポリシーに従い、ライブマイグレーションを使ってプールの一部であるホストをまたいでVMを再配置する)
- ホストメンテナンスモード(ホストがメンテナンス状態になるとREVMSがライブマイグレーションを使って仮想マシンを別の場所に移動させる)
- ホストのパワーマネジメント(ライブマイグレーションを使うことで、System Schedulerがアクティビティの少ないホストにVMを再配置し、不要なサーバの電源を落とすことができる)
- 仮想マシンのシンプロビジョニング(「Image Manager」と呼ばれるREVMSコンポーネントによりストレージのオーバーコミットを可能にする)
- 仮想マシンのスナップショット(スナップショットをスケジューリングし、リカバリポイントとして使用することが可能)
- 仮想マシンテンプレート
- 管理コンソールにおけるロールベースのアクセスコントロールと「Microsoft Active Directory」のサポート
- API
非常に面白いことに、REVMSコンソールはWindowsクライアント版しかないようだ(この点についてはRed Hat社に再度確認した後、内容に応じて本稿をアップデートする)。
「Red Hat Enterprise Virtualization for Servers」という名称でバンドルされたこの2製品はサブスクリプションモデルで販売される。価格は営業時間内サポート付きで1ソケット499ドルから。
もちろん、REVMSはRHEL 5.4内に搭載されたKVMプラットフォームを管理可能だが、同OSは別途購入の必要がある。
新製品の価値を正当化するため、Red Hat社は「VMware vSphere 4」や「VI 3.5」に加え、Hyper-V搭載の「Microsoft Windows Server 2008 R2」が含まれた機能比較表や、永久に議論を続かせるであろう(既に実感していることだ)価格比較表まで用意してきた。
新製品の最後を飾るのが「Enterprise Virtualization Manager for Desktops(REVMD)」だ。これはQumranet社から2008年9月に取得したSolidICE製品で、2010年初頭にリリースされる。
これは、Red Hat社が新規顧客を獲得し、確固たる地位を確立したライバル各社と競うための大きなチャンスを示している。サーバ集約用に優先ハイパーバイザーの乗り換えを顧客に説得するのは容易なことではないが、クライアントの集約(つまりVDI)周辺には未開拓の大きなチャンスが隠れているし、KVMとSPICEにマーケットシェア拡大の機会を与えると混乱を招く。
もう1つ重要なポイントは、このエコシステムが新製品をどのように迎え入れるのかという点だ。Red Hat社の製品が仮想データセンタ管理周辺の顧客のニーズすべてをカバーすることはできないので、パートナーが重要な意味を持つ。
Red Hat社グループに最初に飛び込んだのが、自社のラボ管理ソリューションである「Lab Manager」でREVHのサポート確約を発表したVMLogix社だ。
この製品をVMware社、Citrix社、およびMicrosoft社の仮想化プラットフォームの重要な代替製品とするには、ほかにも多くの企業の参加が必要になる。
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