Oracle社とApple社とVMwareCiscoEMC連合(20091118-1)
われわれはこれまでOracle社に膨大なスペースを割き、同社が提供可能な仮想化製品や、力のあるベンダーとしての同社の存在を危うくするかもしれない過ちに関して伝えてきた。
Sun社の買収がまだ完了していないため、同社は具体的な計画を一切明らかにすることができない。これに関する具体的な情報がないため、われわれがこれまでに公表したことや以下の内容は憶測に過ぎない。
とはいえ、Oracle社が実行に移すかもしれない戦略と、それが既存ベンダーに与える影響はもう少し評価してみる価値があるだろう。
既に何度も言われていることだが、同社は現在、サーバ、ストレージ、ハイパーバイザー、OS、ミドルウェア、有数の普及率を誇るビジネスアプリケーション、シンクライアント、VDIコネクションブローカ、そしてこれらすべてをコーディネートするエンタープライズ管理ソフトウェアを含め、コンピューティングスタックをすべて提供できるユニークな立場にある。
これらが適切に利用され、Oracle社が信頼できる仮想化ベンダーになるかもしれないと仮定するなら、これは一部の顧客にとって注目すべき競争上のアドバンテージとなる(一方で、これを明らかに自らを縛り付けてしまうものだと考えるところもあるだろう)。
VMware社、Citrix社、Microsoft社、および新たに加わったRed Hat社は、複数のベンダーに対応し、数千種類の異なるハードウェアやソフトウェアコンポーネントをサポートしなければならない(VMware社がつい先ごろソフトウェア認定プログラムを立ち上げたが、そうする必要があったのはなぜだろうか?)。また、自分のところのハイパーバイザーがサーバ、ストレージ、ネットワーク、ゲストOS、エンタープライズ管理エージェント、ゲストミドルウェア、そしてゲストアプリケーションをまとめておく接着剤である場合にはいろいろな手違いが生じる可能性がある。
Oracle社は仮想化市場で唯一、「われわれはすべてのコンポーネントを提供しているので、スタックのどのレベルでも何が起こるか正確に分かっている。サードパーティーが全く関与していないので仮想インフラの動作とパフォーマンスを保証することができる」と言えるベンダーなのだ。
市場は完全に異なるが、同様の立場にあるベンダーがもう1社ある。Apple社だ。
Apple社はそのソフトウェアとシステムを自社開発し、これらを完全に掌握している。Steve Jobs氏はこれをApple社の最大の資産の1つだと考えている。
われわれは、ハードウェア、ソフトウェア、そしてOSと、すべての仕掛けを所有する唯一のベンダーだ。われわれはユーザエクスペリエンスの全責任を負うことができる。われわれには他社にできないことができる。
これは独占的状況であり、iPhone App Storeの承認プロセス関連で増加しつつある問題がそのことを証明しているが、これが非常に大きな成功を収めている。
もちろん、コンシューマー市場とエンタープライズ市場は違う世界だが、Oracle社も仮想化製品を全く同じ方法で売り込むのではないだろうか。
もしそうであるなら、Oracle社は誕生間もないVirtual Computing Environment(VCE)連合と競合することになるだろう。ところで、この頭字語は連合を設立したVMware社とCisco社とEMC社の頭文字とも一致するうまい命名だ。
「Vblocks」という自己完結型仮想データセンタであるVCE製品の価値は、これを構成するハードウェアとソフトウェアだけにとどまらない。それは、VMware社、Cisco社、そしてEMC社が、予測可能な形で実行する一定のワークロードとやりとりする一定数の仮想マシンや一定数のユーザに対応するよう設計、製造、テスト、そして認証していることにある。
つまり、VCE連合はデータセンタを自社で設計する膨大なコストや、それを誤った形で設計するコストを節減してくれる。
顧客がVblockを購入することは、ハードウェアとソフトウェアだけを購入することではない。これら3社がマシンに注入したノウハウも購入しているのだ。自分で集めるか、別のところから購入しなければならないノウハウだ。
VMware社、Cisco社、そしてEMC社は、いずれもすべてのスタックをコントロールしていなかったため、このアプローチを実証すべく共同出資による新法人を設立しなければならなかった。だがOracle社にはそれがある。そして、顧客が積み重ねるだけで良い自己完結型デバイスを1社のベンダーで用意するというモジュール型データセンタが将来ITを独占するようになるのであれば、今のOracle社にはそのような未来においてリーダーになるチャンスがCisco社と同程度ある。
Cisco社とOracle社の違いは、前者がそうする意図を既に明確にし、ネットワーキングプロバイダーという今のイメージを変えるべくいくつか対策を講じているのに対し、後者は今も知名度の高い巨大データベースベンダーのままであることだ。違いはわずかにそこだけだ。
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