Microsoft社は本当にエンタープライズデスクトップ仮想化にコミットしているのか?(20091030-5)

10/30/2009   |   原文はこちら (English)

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Microsoft社は2週間ほど前、「Desktop Optimization Pack(MDOP)2009 R2」の発売を発表した
大半の読者がご存じのように、これは同社が大企業の顧客に提供する(ボリュームライセンスのみ)専用バンドルで、Software Assurance(SA)サービス加入者限定となっている。

MDOPには、2006年5月にSoftricity社から取得したアプリケーション仮想化プラットフォームの「App-V」や、2008年3月にKidaro社から取得した「Virtual PC MED-V」のセキュリティラッパなど、Microsoft社仮想化製品の重要なコンポーネントが含まれている。 

これら2つの技術はいずれもハイパーバイザーほどの人気はないものの、いずれもMicrosoft社の長期仮想化戦略にとって重要なものとなっている。
App-Vが特に重要で、今日のようなデスクトップだけという形ではなく、これをサーバ内部で提供すべくMicrosoft社は舞台裏で密かに作業を進めている

この新しいMDOP 2009 R2がアップデートするのはService Pack 1適用済みの「App-V 4.5」のみで、このSP1ではWindows 7が新たにサポートされただけとなっている(AppLocker、BranchCache、およびBitLocker ToGoの各機能のサポートを含む)。
MED-V 1.0がWindows 7をサポートするのは2010年第1四半期以降となり、そのほか特に重要なポイントはないものと思われる。

Microsoft社ではMED-Vの開発スケジュールが大幅に遅れているようだ。Kidaro社買収後、ブランドを変更したバージョン1.0のリリースまで13カ月を要し、最初のサービスパックをリリースするだけで9から12カ月を要している。
また、ホスティング版仮想化プラットフォームで、Microsoft社が全く力を入れていない「Virtual PC」を依然として同製品がサポートしていることも覚えておきたい。

市場の大規模採用準備が整うまでMicrosoft社がApp-Vをさほど強く売り込まないのはかまわない。
「ThinApp」でアプリケーション仮想化市場に侵攻するというVMware社の初期の戦略阻止をCitrix社が進める一方、こうすることで同社にはHyper-Vに専念し、さらに強力なエンジンを開発してサーバ側に移植し、有意義なマーケティング戦略を具体化するための時間ができるのだ。

その一方で、ハードウェア仮想化を活用して革新的な手法で大企業の安全を確保するMED-Vに関してMicrosoft社が何も具体的なことをしていない点はあまり納得がいかない。
Microsoft社はセキュリティ市場をリードしていない。また、セキュリティ業界のMicrosoft社に対する認識はここ数年さほど改善していない。
VMware社がACEではこの市場で勝てないことを考えれば、今は仮想化で大企業の顧客のセキュリティを確保するまたとないチャンスだが、Microsoft社はそれを無駄にしているのだ。

Microsoft社は、Virtual PCのような瀕死のプラットフォーム上で何かを開発したくないがためにこのようなことをしているのかもしれない。しかし、今のところ同社はデスクトップ仮想化分野に関しては何の計画も明らかにしていない。
同社では、Virtual PCをデスクトップ用Hyper-Vの別バージョン(非常に幅広く普及するかもしれないVDI用クライアントハイパーバイザー)で置き換えるか、本格的にVirtual PCへの投資を再開する可能性もある。

顧客には状況が全く分かっていないが、控えの立場にあるこの仮想化プラットフォームで起こることはMED-Vにも影響を与えることになる。
大企業にとって、リーダーではなく、明確なロードマップもなく、開発ライフサイクルが不活発なベンダー(セキュリティ市場におけるMicrosoft社など)は信頼することができない。SAに加入する顧客にとって、MDOPのなかにMED-Vを持つ価値はどこにあるのだろうか?

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