仮想化の隠れた課題 - パート2(20090603-1)
virtualization.infoが2009年5月26日付けで公開した仮想化の隠れた課題の続き。
データと評価
サーバを仮想化するとコストが削減できることに疑問の余地はない。複数の仮想サーバを1台の物理サーバで運用した場合と複数の物理サーバで運用した場合を比較するといろいろな意味でコスト削減が見られる。しかしながら、その削減分を活動資金提供者に立証するためのデータや評価指標がなければ作業は無意味だ。
仮想化プログラムを成功させるカギを握る要素がデータだ。データや評価指標がなければプログラムの成功を示すことはできない。データや評価指標がなければプログラムを開始もしくは継続するための資金を獲得することができない。適切なデータや評価指標がなければ、仮想化すべきサーバとその理由が分からない。
仮想化プログラムの開始にむけた提案を用意するには現行の物理環境を評価する必要がある。適切なツールがあれば評価は社内で行えるが、今は仮想化を評価する多くのサードパーティーサービスもある。物理サーバのパフォーマンス評価指標は必須であり、ほかに、主に以下の4つの利用率評価指標を取得する必要がある。
- CPU利用率
- RAM利用率
- ディスクI/O利用率
- ネットワークI/O利用率
これらの評価指標を入手するにあたっては、標準の首尾一貫したモデルを確実に用意したい。たとえば、評価指標を1週間、1日24時間通して取得する場合は、ピーク時と非ピーク時の両方の評価指標を入手するため平均が低くなりがちだ。したがって、CPU平均利用率30%で運用されるサーバは、30%という数字が低いように思えてもピーク時は80%に達する可能性があり、仮想化に向かないかもしれない。ここでカギを握るのは、データの取得および評価方法に整合性を持たせることだ。
これらの利用率評価指標以外では、物理サーバのモデル、CPUの速度と数、サーバの運用年数、減価償却上の残価(減価償却を行っている場合)も物理サーバの重要な要素になる。たとえば、サーバが70%のCPU利用率で動作している場合は優れた仮想化候補にならないかもしれない。しかし、もしサーバが4年前のものでCPU速度が1 GHzしかなく、新しいハードウェア上で新しい仮想インスタンスを動かせば2.8 GHz動作の仮想CPUが実現する場合、そのサーバは優れた候補になる可能性が高い。
これらのデータがあれば、堅実な物理環境評価を実現することが可能で、仮想化有力候補リスト作りも可能だ。次に、潜在的な仮想化候補リストに適用する経費のデータが必要だ。物理サーバの経費計算にチャージバックモデル、レートカード、グリーンダラーサーバ費用、減価償却モデル、あるいはそれらすべてを使う場合でも、仮想化有力候補リストの経費は計算する必要がある。また、仮想インフラの経費と、ホスト1台あたりの仮想インスタンス数に関するしっかりした推測も必要だ。これにより仮想インスタンスあたりの平均経費が計算され、結果的に削減される物理インスタンスの経費と比較できるようになる。
活動資金などを出す担当者に仮想化プログラムを売り込むには、このデータをPowerPointのプレゼンテーションにきれいにまとめ、手の込んだグラフを入れたものが絶対不可欠だ。
次回は、コスト削減を立証し、効率を維持する仮想化の導入に必要なデータと評価指標に重点を置いて解説する。…
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