VMware社がvSphere 4.0の価格と発売日を発表するも反応の鈍い投資家(20090427-4)

4/27/2009   |   原文はこちら (English)

vmware logo

VMware社は先週、「VMware Infrastructure 3.5」の後継プラットフォームとしてまもなく登場する「vSphere 4.0」の3回目となる発表を行った。

同社は既に、同プラットフォームをネバダ州ラスベガスのVMworld 2008と、カンヌで開催されたVMworld Europe 2009で発表しており、新しい機能とコンポーネントに関する膨大な量の詳細を、ステージ上と自社ウェブサイト上で明らかにしている。
それにもかかわらず、VMware社は同製品として3回目となる発表をネットと実際の会場の両方で行うことにしたが、実際の製品の方はまだダウンロードも購入もできない。

オンサイトでもオンラインでも、発表の場では情報がほとんど明らかにならなかった(その時の録画はこちら)。分かったのは新製品のキャッチフレーズ、価格設定、そして発売日だけだった。

まず最初が新しいキャッチフレーズだ。同社のマーケティング部門は、最初の発表となる2008年9月に明らかにされた「Virtual Data Center Operating System(VDC-OS)」の名前の使用を中止し、一段と大げさな「Cloud Operating System(Cloud OS)」を採用することにした。
virtualization.infoでは、2006年5月にThe long chess game of VMware(VMware社の長期戦)という記事を公開し、同仮想化ベンダーはMicrosoft社が仮想化業界に参入してきたら即座に直接対決を避ける考えなのかもしれないと述べた。
この記事は、VMware社はMicrosoft社が数年間は追従してこないと思われる方向、つまり汎用グリッドコンピューティング分野に向かうというシナリオを描いた。
まさにその通り。それからちょうど3年後、VMware社はこのアーキテクチャをグリッドコンピューティングではなくクラウドコンピューティングと呼ぶようにした(これらの2つのアプローチの技術的違いはここでは関係ない)が、戦略は完全に実行されている。

クラウドコンピューティングの具体化は2010年後半以降だとしたVMware社の最高経営責任者(CEO)を含め、クラウドコンピューティングが今の主流だと考えている人は1人もいない。
にもかかわらず、VMware社のマーケティング部門はSMB市場向けの技術としてかたくなに新しいCloud OSを売り込んでいる。
逆説的に聞こえるが、実際、同社ではこれこそがここ数年集まっていた同社の小規模企業向け戦略に対する多くの批判への待望の答えだと考えている。
このプラットフォームを小規模の顧客にとって一段と魅力的なものにすべく、VMware社は現在、Microsoft社のような行動を取ってvSphereにWindows Vistaのパッケージングをほうふつさせる多数のエディションを用意している。

vsphere_editions

(各バージョンの機能の詳細はこちらのVMware社のドキュメントを参照)

価格は新しい分類に合わせて変更されているが、SMBの部分は意欲的な設定に思えない。

vSphere_SMB vSphere_pricing

近いライバル各社がその大半の製品を無償で販売しており、経済もこのように低迷しているなか、VMware社が自社製品を仮想化分野のロールスロイスだと相変わらず考え、そのように販売していくことは明確だ。
ハイパーバイザーと管理スタックの大半を無償で提供しているCitrix社は、このような形の競合を特にうれしく感じることになるだろう。Microsoft社も2010年初頭に参戦し、顧客がどのハイパーバイザーでも必須の機能と見なすライブマイグレーション(こちらも無償)をようやく用意してくる。  

最高技術責任者(CTO)兼研究開発担当バイスプレジデントのStephen Herrod博士はプレゼンテーションのなかで、vSphere 4.0は既にゴールデンマスターに入っているが、同社がそれを発売するのは5月21日以降になると発表した。
このようにイベントが用意されている理由は明らかではない。おそらく、VMware社は今四半期中にできるだけ多くのライセンスを事前販売しようとしているのかもしれない。また、2009年第1四半期の決算報告前の技術カンファレンスに出席しなかった投資家の注意を引こうとしたのかもしれない(うまくいかなかったこのイベントの詳細は以下で)。
だが確かに、このイベントにより、2008年7月にVMware社の最高経営責任者(CEO)に就任したMicrosoft社元幹部のPaul Maritz氏は新たな役職に対する自信が持てるようになった。同氏はVMware社を経営しているものの、まだ自分のものにはしていないと話しているが、同氏がまとめつつある新経営陣を見ると、VMware社が同氏の望み通りの形になりつつあり、同氏がそれに非常に満足していることは明白だ。
残念ながら、発売イベントはVMware社の膨大な数のパートナーが自社の製品が5月21日もしくは年末にはvSphere 4.0をサポートするようになることを顧客、アナリスト、そしてジャーナリストに売り込む機会も提供した。これは全く使いものにならないもので、おそらくあと2回(実際の製品発売イベントとVMworld 2009)は確実に流れることになる情報だ。マーケティング業界がこのような取り組みをいまだに効果的だと感じていることは信じがたい。

少なくとも今回は、発売に関連して最も具体的である数千人の社員の努力を誉めたたえる場として有益なものだった。
vSphere 4.0がこの会社の歴史の重要な節目となることは極めて明確だ。第一級の技術を使った最先端の製品を投入しようという同社の意気込みは確かなものであり疑う余地はない。それはどのライバルも認めるところだ。
今回のリリースを単なる製品アップグレードとしてこきおろした人々は、VMware社がvSphereの全モジュールをリリースして今後18カ月のうちに明らかになる大局を見るべきだ。

しかし、例によってこれがVMware社最大の弱点でも、VMware社の形勢が不利になりつつある部分でもないことは間違いない。

それは、vSphereの発表翌日に行われたVMware社による2008年第1四半期の決算報告後の投資家の反応で明らかになっている。

同社は業績発表のなかで、アナリストの予想を下回る7%の売上増を示したが、最も重要な情報は、その売上増分に製品ライセンスではなく専門サービスの占める割合が増えつつある点だ。

特に、サービス関連の売上高は2008年比で48%増となっている。
同社の総売上高は45%をサービスに依存している。これに対し、1年前はそれがわずか33%だったので、VMwareのライセンス売上高は1年前から13%減少したことになる。
もしVMware社がCitrix社やMicrosoft社に対抗して無償製品を大量に投入すれば、この減少幅がさらに拡大するかもしれない。

VMware社が2009年第2四半期の売上高を2008年第2四半期比で横ばいか低下すると予想しているのはこのような理由からかもしれない。

投資家の反応は芳しくなく、まもなく登場するvSphere 4.0には頼らないとの判断を下している。

VMW_Q12009

これは、高品質製品を販売するVMware社も自社の大幅な戦略転換を余儀なくされるという兆候なのだろうか?

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