Microsoft社とVMware社による仮想化技術の社内利用(20090409-9)
潜在的な顧客に購入を説得するために成功事例を示すところとして仮想化ベンダーに勝るものはないだろう。
Microsoft社は2008年5月、MSDNとTechNet IIS7の両ウェブフロントエンドのサービス運営におけるHyper-V利用の詳細を一部公表した。
VMware社もCitrix社も、そしてほかのベンダー各社も、社内のインプリメンテーションに関する情報を公表することは一切なかった。
いずれにしても、Microsoft社とVMware社のデータセンタに関する内容の濃い詳細が先ごろ新たに出てきた。
Microsoft社は実際にどのようにHyper-Vを使っているのか
MSDNとTechNetのケーススタディーは興味深いものだったが、各所で詳細が不足していた。TechNetライブラリで2009年1月に公開された新しいドキュメントから巧妙な(そして、場合によっては懸念される)話が明らかになってきた。
(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)早くも2004年9月には、Microsoft ITの計算から、データセンタと管理ラボ内のサーバのCPU平均利用率が10%未満で、さらに下がり続けていることが分かった。
3500台以上の仮想マシンを導入しているMicrosoft ITでは仮想化の目標がかなり高く設定されている。Microsoft ITでは、2009年6月までにすべてのサーバインスタンスの半数を仮想マシン上で動作させるという計画だ。Windows Server 2008 Hyper-Vを使うことで、新しいサーバの少なくとも80%が仮想マシンとして導入される見込みとなっている。
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Microsoft ITが仮想化する物理マシンの選択基準を確立するなか、利用率や可用性の要件が非常に低いラボ/開発サーバを多数見つけだした。期待が低かったため、Microsoft ITは現在、ラボ/開発の仮想サーバに4プロセッサソケット、16から24のプロセッサコア、そして最大64 GバイトのRAMを導入している。これらのサーバは大量の仮想マシンのホスティングが可能で、ホストマシンあたり仮想マシンは平均10.4台になる。
Microsoft ITが仮想マシンの導入に関する専門知識、特にWindows Server 2008 Hyper-Vによるパフォーマンス改善を中心に蓄えたことで、同社は次第に本番環境サーバの仮想化へと進んでいった。多くの本番環境サーバは今も利用率が低いままだが、一部にはラボ/開発コンピュータより極めてパフォーマンス要件が高いものもある。本番環境用サーバの導入に関し、Microsoft ITは2プロセッサソケット、8から12プロセッサコア、そして32GバイトのRAMを搭載するサーバを利用している。
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平均では、8プロセッサと32GバイトのRAMを搭載したホストサーバが本番環境で5.7台の仮想マシンをホスティングしている。
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Microsoft ITは、仮想マシンの構成とハードディスクファイルの格納にSANを使うようすべての仮想マシンホストを構成している。ホストコンピュータはデュアルパスFibre Channel HBAを使ってSANに接続している。本番環境用仮想サーバでは、SANストレージがRAID 0+1を使い、ラボ/開発用の仮想マシンストレージではRAID 5が使われている。Microsoft ITが本番環境サーバでRAID 0+1の構成を選択したのは、こちらの方がパフォーマンスに優れるためだが、同時にディスクの使用量も増える。ラボ環境ではそこまでパフォーマンスが重要ではないため、Microsoft ITでは仮想マシン保管用の使用ディスク容量が少ないRAID5を使っている。
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Microsoft ITが最初にサーバの仮想化を導入したときは、仮想マシンで共有ストレージモデルを使うことが目標だった。Microsoft ITでは、最初にホストコンピュータごとに1から2つの大きなLUN(100 Gバイト以上)をSAN上に作成し、それからLUNごとに複数の仮想マシンを導入する。典型的なシナリオでは、Microsoft ITが顧客に50 GバイトのCドライブと20 GバイトのDドライブを提供している。両ドライブともにダイナミック仮想ディスクであるため、LUN上で実際に使用される容量は最大サイズより大幅に少ない。
しかし、顧客が仮想サーバ上にデータを保管していくとダイナミックディスクも徐々に増加し、わずか2、3台の仮想マシンでLUN全体がいっぱいになってしまう。これは、使用可能容量を見るためにすべてのLUNをトラッキングして容量がいっぱいになる前に仮想マシンを移動しなくてはならなかったMicrosoft ITにとって重大な管理問題となった。
この問題に対応し、仮想マシンでフェールオーバークラスタリングを有効にするため、Microsoft ITは次に、1つのLUNに1台だけ仮想マシンを構成するモデルを採用した。このモデルでは、30から50GバイトのLUNが各仮想マシン専用として割り当てられ、必要に応じて仮想マシンにさらに容量を割り当てるオプションも用意された。
Microsoft ITはディスクマウントポイントの使用を回避したため、1台のホスト上に導入する仮想マシンの台数を制限する要因が、ホストコンピュータ上の使用可能な文字数(ドライブ数)になった。多くの場合、これはホスト上に仮想マシンを23台以上導入しないことを意味した。
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- Microsoft ITは、Microsoft Virtual Server 2005 R2上で動作する仮想マシンで99.95%の可用性を達成しており、Hyper-V上で動作する仮想マシンでは可用性がさらに上がることを期待している。仮想マシンとして導入されたアプリケーションでこれ以上高い可用性レベルを求めるものは非常に少ない。
- Windows Server 2008のフェールオーバークラスタリングでは、管理者は各仮想マシンをそれぞれ別のLUNに格納する必要がある。管理者はすべてのクラスタノードが同じドライブ名を使って共有ストレージを使えるようにする必要があるため、フェールオーバークラスタで動作可能な仮想マシンの最大数は23となる。Microsoft ITでは、マウントポイントの利用と仮想マシンのグループ分けでこの制限を回避することができたが、この構成ではあまりに管理が複雑になると考えた。この制限があるため、Microsoft ITはクラスタあたりわずか3ノードを使う基準を採用し、1ノードの障害が許容可能になるようクラスタを構成した。
- Windows Server 2008のフェールオーバークラスタで仮想マシンがフェールオーバーをすると、Hyper-Vのクラスタサービスが仮想マシンのステータスを保存し、共有ストレージの制御を別のクラスタノードに渡し、保存された状態から仮想マシンを再起動する。この処理にはわずか数秒しかかからないが、仮想マシンはその短い時間内もオフラインのままになる。セキュリティアップデートのインストレーションなどで管理者がフェールオーバークラスタのすべてのホストを再起動しなくてはならない場合は、クラスタ内の仮想マシンを何度もオフラインにしなくてはならない。そこでMicrosoft ITは、ソフトウェアアップデートの適用など、ホストの保守のためにあらかじめ計画された単純なダウンタイムの場合は高可用仮想マシンの方がスタンドアロンサーバに導入された仮想マシンよりダウンタイムが長い可能性があると判断した。
- ホスト間で仮想マシンを移動する際は、毎回わずかながら必ずダウンタイムが発生するため、Microsoft ITはサーバのアップデートプロセスを仮想マシンのオーナーと調整することは難しいことに気付いた。1台の物理ホストに複数の仮想マシンが含まれる可能性があるため、Microsoft ITでは仮想マシンの各オーナーと連絡を取ってホストサーバの保守と仮想マシンの保守をコーディネートする必要があった。
これらの問題があったため、Microsoft ITはフェールオーバークラスタリングを仮想マシンのデフォルト標準として導入していない。Microsoft ITでは複数の3ノードクラスタを導入しており、重要なワークロードを処理する仮想マシンにはこのサービスを提供している。Microsoft ITが仮想マシンのフェールオーバークラスタリングを使用している一例としては、24時間サポートスタッフが常駐しないブランチオフィスがある。ホストのダウン時に対応できる管理者が常駐するデータセンタでは、Microsoft ITはHyper-Vクラスタリングの使用を最小限に抑えている。…
この記事全体がきわめて貴重な内容なので、ぜひお読みになることを推奨する(リンクを伝えてくれたVinternalsに感謝したい)。
また、無精なユーザ向けにMicrosoft社はこの社内ケーススタディーに関するウェブキャストも公開している。司会はMicrosoft社のMicrosoft ITで技術アーキテクトを務めるDavid Lef氏だ。
VMware社は実際にどのようにESXを使っているのか
既に述べたとおり、VMware社は市場をリードする立場にありながら、ESXなどの各種製品の社内利用の実体を一切明らかにしてこなかった。
だが今回初めて、同社CIOのTayloe Stansbury氏がVMworld Europe 2009期間中に行ったプレゼンテーション(DC35)で詳細が一部明らかにされた。
- VMware社では、社内の大半の部署を含む550人以上のユーザにVDIを導入している。
クライアントの構成は、Wyse V10 Thin Clients、Dellの24インチモニタ(設定は1920x1200ピクセル、15ビット解像度)、キーボードとマウス。
サーバの構成は、HP c7000ブレードシステム上で動作し、HPのブレードにはEMC Clariion CX3-80ストレージとCisco 3020シリーズのスイッチモジュールが搭載されている。
インフラ全体が米国はVMware Virtual Desktop Manager(VDM)2.1、欧州はView 3.0で運用されている。 - VMware社では仮想化メールサーバを社内に導入して7800個のメールボックスを処理している。
インフラは全体がMicrosoft Exchange 2007 Enterprise Editionの動作する29台の仮想マシン(2カ所のデータセンタに分割)で運用されている。 そのうち22台はメールボックス専用で、残りの7台はClient Access Servers(CAS)として動作している。 - VMware社では、Oracle Real Application Clusters(RAC)を除き、ERPインフラ全体を仮想化している。
- 同社サーバの97%は1台のTier 4および2台のTier 2データセンタをまたいで仮想化されている。
見あたらないアプリケーションは2つだけ(1つはOracle RAC)。
EMC DMX4はミッションクリティカルなアプリケーションで選択されるストレージバックエンドとして利用され、それ以外の場合はEMC CX3-80が選択される。
フロントエンドとして各所で選ばれているのがHP c7000ブレードだ。 - 平均集約率はサーバが10:1、VDIデスクトップが64:1。
- 管理者は1人当たり平均145台の仮想マシンを管理している。
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