VMworld Europe 2009速報:第1日 (20090224-2)
今年のカンファレンスは、Google社の元幹部で2008年12月にVMware社の新しいEMEA(欧州・中東・アフリカ)担当ゼネラルマネージャに就任したMaurizio Carli氏の講演で始まった。
同氏はまず、2008年(参加者4500人)と比較して、2009年のVMworld Europeがこのような経済状況のなかで4700人の参加者を集めたことを明かした(先の報道では参加者わずか3000人という話だった)。
その4700人のなかにVMware社のことを知らない人がいる場合のために、同氏はまず同社の規模に関する数字をいくつか明かした。
- 世界中で合計6300人以上、EMEAに1300人以上いるという。
- 顧客の42%が仮想データセンタをVMwareで標準化している(2007年は25%)。
Microsoft社の元トップ幹部で、VMware社の創業者兼最高経営責任者(CEO)だったDiane Greene氏と2008年7月に交代したPaul Maritz氏が壇上に登場する。
Maritz氏はまず、IT関連予算の内訳について語り、計り知れない複雑性によって多くのプロジェクトが遅れるか頓挫していると主張した。VMware社では以下の3つの構想によってサービス分野におけるITの転換に取り組んでいる。
- Virtual Data Center OS(VDC-OS)
- vCloud(プライベート/パブリックの両クラウドとこれら相互のフェデレーション)
- vClient(サービスとしてのデスクトップ)
つまり、Maritz氏はおそらく、ネバダ州ラスベガスで開催されたVMworld 2008のプレゼンテーションを再現するのだろう。
次にMaritz氏は、標準化されたハードウェア、拡張可能な高可用性ソフトウェア(VMware Infrastructure)、コンプライアンスと管理レイヤを許可してSLA管理モデルを施行できるセキュリティポリシーなど、VMware社によるクラウドコンピューティングのビジョン実現方法に関する詳細を明らかにした。
このスタック上に、既存のアプリケーションと、クラウドのなかで動作し、拡張する次世代アプリケーションを一緒に配置する。
さらにMaritz氏は、異なるクラウドコンピューティングモデルを提案しようとしている他社に対し、現実的で長く存続する手法は仮想化だけだとのメッセージを伝えた。
Google社も名指しされた。彼らはアプリケーションとハードウェアのデザインを見直さない限り拡張できないことを認識していないという(ここで指摘しておかなければならないのは、2007年に、Google社がハードウェアの仮想化が全く選択肢に入っていないことを明確にしている点だ)。
「vSphere」は新しいVMwareプラットフォームの正式名称(商標)で、これは以下の6つの基盤部品で構成される。
- 「vCompute」
(ハードウェア支援型仮想化技術で、ライブマイグレーションの互換性が高い) - 「vStorage」
(ストレージ管理およびレプリケーション用) - 「vNetwork」
(ネットワーク管理用。この分野はCisco社にも注目…) - 「Availability」
(データ保護およびクラスタリング用) - 「Security」
(VMsafeがファイアウォール、ウイルス対策、侵入検知/防止、およびコンプライアンスに革新をもたらす) - 「Scalability」
(ダイナミックリソースサイジング用)
「vCenter Suite」は新しいVirtualCenterプラットフォームと、以下の9つの基盤部品が含まれてまもなく登場するその新モジュール/アドオンすべての正式名。
- 「Provisioning」
- 「Configuration」
- 「Capacity」
- 「Operations」
- 「Performance」
- 「Availability」
- 「Self Service Portal」
- 「Service Catalogue」
- 「Billing / Chargeback」
ここでMaritz氏から注目すべき発言がある。第一世代のvSphereプラットフォームが登場する2009年以降は、データセンタを100%仮想化しない言い訳は技術的にできなくなるというものだ。
ここで話題はvCloud構想に移る。
VMware社にとっての最重要ポイントは、企業のプライベートクラウドが外部のクラウドとシームレスに統合できるようオープンな業界標準上にフェデレーション機能を組み入れることだ。
VMware社の技術をベースにしたクラウドエコシステムの成長を促すため、vCenter SuiteとvSphereは内部と外部でクラウドのインフラに差が出ないようデザインされている。
ここでTerremark社のEMEA担当最高技術責任者(CTO)が壇上に登場。Terremark社は有名なホスティングプロバイダーで、VMware社とともに先ごろエンタープライズクラウドアーキテクチャに進出してきた。
同氏はリソースプールが特定の顧客向けに割り当てられ、管理されているコントロールパネルを見せて、Terremark社がワンクリックで新しいサーバを提供して割り当てられたリソースを増やす様子を紹介した。
Terremark社はVMware社の仮想インフラを通じて特定のSLAを認可し、契約内容を実現できない場合はペナルティーを支払う。
次に壇上に上がったのは、顧客がエンタープライズ品質のRuby-on-Railsアプリケーションをクラウド内で構築およびホスティングできるようにするソリューションプロバイダーのEngineYard社。
続いて登場したのは、クラウド内でオンデマンドの多層ITインフラを提供するソリューションプロバイダーのIT Structures社だ。
(今回のデモは、VMware社のパートナー各社が時間のほとんどを使ってステージで自社のサーバやシンクライアントを紹介した2008年のそれより明らかに良いものだった。)
Maritz氏はさらに、VMware社の製品を使ってエンタープライズクラウドコンピューティングインフラを現在提供している著名企業をいくつか紹介した。
ここからは、VMware社の戦略の最後の部分に入る。vClientだ。
デバイスではなくユーザのプロビジョニングである。
VMware社ではすべてのユーザに対応したいと考えている。Maritz氏は、既存のVDIアプローチと同時にクライアントハイパーバイザー(CVP)にも正式に言及する。
VMware Viewは、VDIシンクライアントとクライアントハイパーバイザーインスタンスを企業のデスクトップやノートPC上で同時に管理する。
VMware社は、シンクライアント管理の強化機能(HDビデオ、Flash、3Dグラフィックス)やクライアントハイパーバイザーをはじめ、すべてのvClient技術を2009年中に投入する。
最後のポイントについて、驚いたことにMaritz氏がIntel社との提携を発表する。
この提携自体は驚きではないが、Intel社はわずか1カ月前にもCitrix社とクライアントハイパーバイザーを開発する大規模共同構想を発表している。
Citrix社とIntel社の提携は独占契約ではなく、2つ目のVMware社との提携のなかの重複部分の有無やその内容は明らかではない。
これでPaul Maritz氏による2回目の基調講演は終了。
プレゼンテーションは全体的に前回のラスベガスよりも具体的な内容だったが、Maritz氏はVMware社のSMB戦略や他社との競争といった新しい要点ではなく、SAP社に30分以上の時間を割いた。
ここでSAP管理サービス担当シニアバイスプレジデントのWorlfgan Krips博士が登場し、大々的な宣伝を繰り返した。
聴衆はしらけて、最初の5分で多数が基調講演会場をあとにした。
VMware社はなぜ毎年貴重な基調講演時間のなかから少なくとも30分を無償で提供しなくてはならないのだろうか?話すことがないわけではないだろうに…
明日の実況中継もご期待いただきたい。VMware社CTOのSteve Herrod氏が、Maritz氏が24日に解説したすべてのトピックを技術的に掘り下げてカバーする。
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