VMworld 2008速報(第1日) - VMware社基調講演(20080916-2)
前回と同じように、virtualization.infoではVMworldの基調講演を会場から速報する。
就任間もないVMware社最高経営責任者(CEO)のPaul Maritz氏が壇上に登場。
ITの歴史を簡単に振り返り、VMwareの歴史も振り返って、いずれも同社を去ってしまったDiane Greene氏とMendel Rosenblum氏の功績にも言及する(驚いたことに聴衆からの拍手はない)。
ここ10年間のVMware製品の進化を説明するスライドには3つの分岐が示されており、それが2008年のある時期に1本に収束する。
Maritz氏は、1本に収束していく3本の分岐に相当する3つの技術分野を紹介する。「Virtual Datacenter OS」(VDC-OS)、「vCloud」、そして「vClient」だ。
弾力性があり、自己管理可能で、自己回復力を持つ新しいソフトウェアプラットフォームに対するニーズの理由付けとして、Maritz氏はアプリケーションのワークロードを、ビジネスニーズに応じて適切かつ迅速にプロビジョニングできない点を指摘する。
まもなく登場するVMware社のVDC-OSは物理ハードウェア機能(vCompute、「Intel FlexMigration」への言及あり)、仮想ハードウェアの拡張性(vNetwork、Cisco社の仮想スイッチへの言及あり。後ほどCisco社の基調講演もお届けする)、ストレージの可用性と信頼性(vStorage)に依存する。
Virtual Datacenter OSはもちろんワークロードに対応するよう作られており、Maritz氏はVirtual Appliancesから vAppsへの移行過程も説明する。これは、セキュリティ、扱いやすさ、そして可用性の各要件をより簡単に実現する、今日のコンフィギュレーション済みのVMが進化したものだ。
Virtual Datacenter OSとvAppsは管理が必要なため、Maritz氏は「vManagement」のコンセプトを紹介する。これは、サードパーティーベンダー各社(BMC社、CA社、IBM社など)がプラグインでVirtual Centerに機能を追加できる拡張可能な管理フレームワークだ。
VMware社のCEOは次に、vCloud コンセプトに話題を移し、100社以上のサービスプロバイダー(BT社、Verizon社、Sunguard社、およびT-Systems社)が共用vAppsの導入で同社に協力していることを発表する。
ここでデモの時間となり、システム管理者が仮想アプライアンス(vAppになるもの)をVMware Marketplaceからダウンロードし、ビジネスポリシーを定義して導入する。SLAは4秒未満である必要があり、もし条件が満たされない場合は、ワークロードの需要に対応するため、透過的かつ瞬時にそのアプリケーション用のクラウドを構築する必要がある。
仮想アプライアンスが読み込まれ、SLAの限界点を超えるまで大きなプレッシャーがかかる。ここまで来ると、VMware Infrastructureが新しいインスタンスを生成して必要なパフォーマンスレベルを回復させる。
Maritz氏による基調講演の最後は vClientだ。
同社では、Virtual Desktop Infrastructure(VDI)の概念を「VMware View」と呼ばれる新しいものへと移行させるべく取り組んでいる。
デスクトップ環境では、エンドユーザエクスペリエンスと生産性がカギであるため、VMware社ではOS、アプリケーション、そしてデスクトップ環境のストレージをユーザのプロパティとして定義しようとしている。これらのプロパティはどの物理プラットフォーム(シンクライアント、標準的なPC、携帯端末など)にでもユーザに付いてくる。
ここで再度デモが行われる。エンドユーザがUSBキーをノートPCに挿入するとその中に入っているOSが起動する(Linuxのディストリビューションのようだ)。この最小構成のOSは、Virtual Desktop Managerクライアントだけ立ち上げると、VMware Infrastructureのなかにある仮想ワークステーションに接続する。
そこまで来ると、エンドユーザは3Dゲームを起動してスムーズなレンダリングを楽しむことができる。
このビジョナリーによる基調講演も終わりに近づく。
Maritz氏は、VMware社が実現したいと考える魅力的で、壮大で、極めて複雑なビジョンにわずかだが触れる。しかし、同氏の会社と既存の競合各社との深い溝を見せつけるには同氏が紹介した部分だけで十分だった。今日ほどVMware社が小規模企業市場から遠く離れてエンタープライズ市場のハイエンドに完全に集中しているように思えることは今までなかった。
簡単にまとめると、VMware社は現行のハードウェア(サーバ、ワークステーション、およびストレージ)をクラウドの中に移動させつつある。
virtualization.infoでは、VMware社はMicrosoft社の本格的な市場参入直後にクラウドコンピューティングに移行し始めるものと思う。さあ、また動き出すのだ。
本当の疑問は、市場に追従する準備があるかどうかだ。
今のところ、それに対するあまり良い回答は見あたらない。
このセッションは終了だが、virtualization.infoでは16日行われるほかの主催者の基調講演(Cisco社も含む)もカバーする。
さらに、明日17日はVMware社最高技術責任者(CTO)のSteve Herrod氏による基調講演や、Paul Maritz氏によるQ&Aセッションもお伝えする。
引き続きお読みいただきたい。

