VMworld 2008総括– パート2(20080929-1)
virtualization.infoによる総括のパート1では、VMware社が開幕にあたっての基調講演で行った発表などをカバーした。しかし、それはVMworldのほんの一部に過ぎない。
2008年の会場には、仮想化業界全体を代表する206社のパートナーや競合各社が出展しており、これら各社からもさまざまな発表が行われた。
今回のパート2では、VMware社がクラウド一色の業界をリードするなかでパートナー各社が発したメッセージを要約および分析していく。
パートナー各社はあらゆる機会に乗じ、過酷な競争や利益の低さをものともしていない。
仮想化に対する関心は間違いなく高い(2008年のVMworldは1万4000人以上の出席/参加者を記録)が、現在は市場のわずか7%しか仮想化技術を導入していないため、大手調査会社各社は、これがほんの始まりに過ぎないと確信している。
今年のVMworldは、潜在的な顧客数だけがその根拠ではないことを明確にした。潜在的なベンダー数も根拠となっているのだ。
VMware社の既存パートナー各社と同時に、2008年は少なくとも100社の新しい企業が出展した。
仮想化をゼロから構築、もしくは改めてサポートし、virtualization.infoの仮想化レーダー に加わる企業の数は昼から夜にかけて倍増した。
ここでまず1つ考えられるのが、適切なソリューションを見つけ出すのがかなりやりがいのある作業になりつつあることだ。
1つのセグメントに10~15社の企業が競合するすさまじい乱戦模様の市場では、エンドユーザは、自分たちに代わって最高の製品を選択してくれるソリューションプロバイダーに頼るしか方法がない。しかし、その彼らでさえもが製品やサービスが多すぎて評価に苦戦しているのだ。
さらに、利益機会がまだ非常に大きいことから、仮想化に専念するソリューションプロバイダーの数も急増しつつある。
もちろん、これだけ飽和状態にある分野では、多くの企業が真の革新をもたらすチャンスも少ない。
企業の大半は、同様の機能セットを持つところ同士が単にまねしあうだけなので、競争の要因になるのは価格だけだ。
したがって、各ベンダーは数カ月のうちに他社に対する自社ソリューションの優位性や革新性をかなり詳細に明らかにすることが求められる。この重要な作業に失敗するマーケティング部門は、潜在的な顧客の獲得チャンスを大きく減らすことになる。
しかし、パートナー各社はどこに重点を置いているのだろうか?あらゆるところにである。
大半の企業は自社のミッションを四半期ごとに変容させ、パンフレットの印刷直後にも製品の品揃えを幅広く拡大もしくは完全に入れ替えているように思える。
顧客はどこが何をしているのか把握しきれず、すべてのベンダーが「それはわれわれにもできます」としている現状では安心できないことから、多くの企業のコーポレートアイデンティティが打撃を受けている。
大半の企業はいまだにVDIとクライアント側の仮想化を最大の利益機会だと考えている(1万2000台の仮想デスクトップをわずか3人で管理するという過去最大のVDIインプリメンテーションをNECとVMware社が発表したのも一因かもしれない)。
- Virtual Iron社の元最高技術責任者(CTO)により設立された米新興企業のVirtual Computer社は、(VMworldの基調講演中に壇上で先行公開され、まもなく登場するVMware社の「View」プラットフォームより一層)大規模な導入、コンフィギュレーション、およびパッチの機能を提供する強化されたVDI管理システムの「NxTop」を発表した。
- 4月に発売したホステドVDIに重点を置く米新興企業のDesktone社と、シンクライアント分野をリードする企業の1社であるWYSE社は、Flash技術を将来的に仮想デスクトップに取り入れるための提携(Desktone dtFlash + WYSE TCX Multimedia)を発表した。
- 「MojoPac」によって2年前からコンシューマー市場獲得を目指してきた米新興企業のRingCube社は、その関心を大企業に向けて、「Kidaro Managed Workspaces」(Microsoft社が4月に取得)と同じ様なエンタープライズセキュリティラッパの「vDesk」を発表した。
同時デスクトップ1台あたり現在200ドルで発売中のこの新製品は、VMware Virtual Desktop Manager(VDM)との統合も可能になっている。 - VDIを専門にする老舗仮想化ベンダーの1社であるLeostream社は、自社のコネクションブローカを「BladeCenter HC10 Workstation Blade」と一緒に販売できるようにするため、IBM社との間でディストリビューション/サポート契約を発表した。
多くの企業は災害対策ならいくらでも利益を上げられるとの認識だ。
- スイスに本社を置く全く新しい欧州の新興企業、Trilead社は、仮想マシンバックアップ/リストア分野につい先ごろ参入し、「VM Explorer」の最初のベータを投入した。
同製品は現在VMware社のハイパーバイザーしかサポートしていないが、一般的なLinux/FreeBSDストレージサーバのバックアップ/リストアやESX間のコピーが可能で、基本的なマルチホスト管理もできる。 - Vizioncore社は「vRanger 4.0」を先行公開し、新しいサービスベースのアーキテクチャと、サードパーティーデベロッパー向けの非常に興味深いAPIセットを発表した。
- PlateSpin社は、SANアレイや複数のリカバリポイントをサポートするようになった災害対策アプライアンスの「Forge 2.0」をリリースした。
頭の良い多くの企業(その多くはセキュリティ業界出身)では、かなりの大規模仮想データセンタで高いニーズが生まれるものの1つにコンフィギュレーション監査があるとの理解だ。
- Configuresoft社 は、「VMware Infrastructure 3 Security Hardening Guidelines」や「Center for Internet Security(CIS)VMware ESX Server Benchmark」を参考にしてVMware Infrastructureのセキュリティコンフィギュレーションをチェックする無償の「Compliance Checker」を発表した。
- Splunk社は、システムイベントマネージャがVMware Infrastructure 3.5を完全サポートするようになったことと、仮想アプライアンスエディションが無償配布開始されたことを発表した。
- Tripwire社は、新しいコンフィギュレーション監査ソリューションの「Tripwire Enterprise 7.5V」がESXとVirtualCenterをフルサポートし、VMスプロールコントロール機能と仮想インフラオブジェクト自動化発見機能を搭載したことを発表した。
- Sourcefire社は、侵入検知システムのRNAがまもなく登場するバージョンでVMsafe APIを利用することを発表した。
一方、仮想インフラにおけるチャージバックの必要性を感じているパートナーは多くない。
- 14年前からチャージバック一筋の小規模米企業、Nicus Software社は、同社の「M-PWR」がVMware VirtualCenterをサポートし、サービスベースの価格設定、多段階料率、確定資源利用率、直接費、および多段階アロケーションを提供するようになったことを発表した。
- Vizioncore社は、vCharter(「vFoglight」に改名)が多段階、定額制、資源利用率、直接費の各モデルを含むチャージバック機能を第4四半期に搭載することを発表した。
VMware社がDunes Technologies社を買収して市場からライバルが消えたにもかかわらず、仮想データセンタオーケストレーションにチャンスを見いだしている企業は2社しかいない。
- Vizioncore社は、クロスプラットフォーム管理、データセンタ自動化向けのワークフロー、そしてポリシーベースのライフサイクル管理エンジンを提供する「vAutomation Suite」と呼ばれる全く新しい製品を発表した。
- BMC社は、「Remedy IT Service Management」(ITSM)や「Atrium Orchestrator」(旧「BMC Run Book Automation」)と「Lifecycle Manager」(「vCenter Lifecycle Manager」に改名)を統合するための本格的な提携を発表した。
ほぼすべての主要仮想化ベンダーが自社のハイパーバイザーと一緒にP2V/V2V移行ツールを無償で提供するようになったPhysical-to-Virtual(P2V)移行市場にもまだ動きがある。
- Vizioncore社は「vOptimizer」のバージョン4をリリースし、(物理システムを捨てる前に仮想マシンのパフォーマンスを検証する)部分移行や継続移行(災害対策用のV2V移行テクニック)など、かなり興味深い機能を投入した。
キャパシティプラニングはP2V移行より優先度が高いが、この市場に力を入れる企業はまだ少ない。
- PERFMAN社は、同社製品の新しいバージョン7.2が、「what-if(仮定)」モデリングによって新しいワークロードと、新しいハードウェア上における既存ワークロードでのシステムパフォーマンスを予測する「Virtualization Planning Tool」を搭載してきたことを発表した。
競合企業の大半がなによりもゲストOS内での従来のハードニング/検知/クリーンアップ手法で忙しく、VMsafe APIが登場するまでセキュリティ分野には競争がほとんどない。
- McAfee社は、「Total Protection」スイートがその保護対象を第4四半期には仮想環境にまで拡大することや、オフラインの仮想マシンファイルのなかからウイルスをスキャンするようになることも発表した。
- Catbird社は、「V-Security 2.0」がVMotionをサポートするコンプライアンス強制機能を導入することを発表した。
最後に、少なくとも1社の明確なビジョンを持った企業が既にこの分野でVMware社に追従している。
- 4月に創業し、ASP型仮想ラボ自動化システムに重点を置く米新興企業のSkytap社は、同社が近い将来VMware vCloud構想をサポートすることを発表した。このことは、将来的にフェデレーテドクラウドを実現すべくAPIの標準化を目指して両社が共同で作業を進めていくことを意味している。
さらに具体的に、Skytap社は顧客がローカルのインフラにホステドVLAサービスを統合できるようにするWebサービスが利用可能になったことも発表した。
今年の総括は、VMworldで見えてきた圧倒的な勢いに対抗すべくVMware社の競合各社が発表してきた内容をパート3で分析して締めくくる。
Copyright © 2003-2009 virtualization.info. All rights reserved.
virtualization.info Network: virtualization.info | virtualization.tv | Virtualization Congress



