Qumranet社買収で突然仮想化業界の主要プレーヤーとなるRed Hat社(20080904-10)

9/04/2008   |   原文はこちら (English)

Red Hat社がVDI新興企業のQumranet社を1億700万ドルで買収したことを先ほど発表した

同新興企業がステルスモードを出たのは2007年9月のことで、社員もわずか60人しかおらず、その全員がRed Hat社の社員としてとどまる。

この動きは重要で、仮想化業界の多くの側面に大きな影響がある。


Qumranet社の戦略
Qumranet社は管理コンソール、コネクションブローカ、そして新しいリモートデスクトッププロトコルで構成される興味深いVDIソリューションを発売している。
しかしそれ以上に、Qumranet社は開発のわずか6カ月後からLinuxカーネルにインプリメントされてきた新しい仮想化プラットフォームであるKVMのメンテナンスを行っている。

KVMを使えば、どのLinuxマシンでも仮想化プラットフォームになることが可能で、KVM用のVDIソリューションを提供できるのは現在のところKVM社だけだ。
これはつまり、安価で大規模な仮想デスクトップインフラを探している顧客はQumranet社のソリューションを購入せざるを得ないことを意味する。


Red Hat社の戦略
ここ数年、Red Hat社は多数の発表を繰り返しながら、仮想化に関する巧妙な戦略を示さなかった。しかし、同社は6月、XenからKVMに移行する考えがあることを正式に宣言した

それからわずか2カ月後、Red Hat社のある幹部は同社がVDIに関心があることを正式に表明した。その時点では、Qumranet社との特別な取り決めを予想するのは容易だった。

(virtualization.infoが買収を推測したときには既に契約が結ばれていたようだ)

Red Hat社はQumranet社を買収するだけで多数の問題を解決する。

  • 仮想化エンジンの開発を直接管理できるようになる(Xenでは、XenSourceの存在により思うようにいかず、その後のCitrix社によるXenSource買収によってさらに状況が悪化した)。
  • 仮想化の普及が可能なプラットフォームを獲得できるようになる(KVMは、サーバ、デスクトップ、組み込みデバイス、そしてLinuxが搭載できるところならどこでも導入できるだけの柔軟性を持つ)。
  • 成長するVDI市場で強力なポジションを確保できるようになる。
  • 自社の仮想化製品をライバルのNovell社のものと差別化できるようになる(いずれも現在Xenを採用している)。
  • ライバルのNovell社がMicrosoft社の仲間だと疑われる一方で、オープンソース業界のリーダーとしてのポジションを強化できるようになる。
市場への影響

Citrix社もRed Hat社も、オープンソース仮想マシンモニタ(VMM)を開発および管理する仮想化関連会社を買収している。しかし、両社の間には大きな違いがある。

Citrix社はこれまでオープンソース業界に関与したことが一度もなく、Simon氏とそのスタッフが持ち込んだカルチャー(そして精力的な活動)はあるものの、コミュニティーはCitrix社のことを、貢献のできる会社とはなかなか認識できずにいる。仮想化の話になると、Citrix社はVMware社に対抗するMicrosoft社の最大の味方として真っ先に見られてしまう。
その一方、Red Hat社は愛されるオープンソースの英雄だ。同社はこれまで何度かミスも犯しているが、Fedoraのサポートを巡る努力は、同社を今もLinux業界のリーダーたらしめている。
今は、この違いが特に重要になっている。現在Xenの開発に貢献している一部の組織は、Citrix社と協力するよりRed Hat社に協力する方がはるかに興味深いと思うかもしれない(IBM社を考えると良い)。

同時に、Red Hat社に大きく依存する一部の企業は(Oracle社を考えると良い)XenからKVMへの切り替えが確実なため非常に困った事態に陥る可能性がある。
これらの組織では、今後はNovell社を検討するか、独自のインプリメンテーションの開発に着手する必要があるかもしれない。

いずれにせよ、Qumranet社買収はRed Hat社にとって重要な功績であり、同社には仮想化業界の真のリーダーとなるまたとないチャンスが訪れている。