VMware社がESX 3iを来週無償で公開(20080722-1)
VMware社がついに、だれもが予測し、待ち望んでいた行動に出た。同社ハイパーバイザーの無償公開である。
同社は2008年第2四半期決算発表の場で、「VMware Infrastructure 3.5」の「Update 2」を7月末までにリリースし、同製品の軽量バージョンである「ESX 3i」を無償提供することを発表した。
新しい3iエディションは2007年末に投入された。
ハイパーバイザーの特性に変更はないが、アーキテクチャの一部を根本的に変更し、「Console Operating System(COS)」を削除して、システム全体の容量を32MBに削減している。
この変更により、複数のOEM各社が内蔵のUSBキー、メモリディスク(SSD)、あるいはメインディスクの隠しパーティション経由でこのエディションのハイパーバイザーを自社サーバにプレインストールできるようになった。
今回の措置に関してvirtualization.infoが得た新たな詳細は次の通り。
- VI 3.5とESX 3iは今後もコードベースの大部分を共有し続ける(したがって、ESX 3i Update 2も投入される)。両製品ともリリースが遅れることはない。
- ESX 3iは今後も現在と同じ仕様を維持し、新たに制限が加わることはない。
- ESX 3iは引き続き同じAPIを用意し、「VirtualCenter」に代わる無償もしくは商用製品はだれでも開発できるようになる(ただし、「VMotion」などの一部の機能はVMware SDKの制限により、模写することができない)。
- 同製品の利用に関し、VMware社がソフトウェアやサポート契約の購入を要求することはない。顧客は何の制限もなくこのコードを入手できるようになる。
- 現行バージョンのESX 3iをVMware社のオンラインストアから直接購入した顧客はキャッシュバックを受けることができる。
- Console Operating System(COS)を搭載したバージョンのESXがフェードアウトされることは(少なくとも近い将来は)ない。VMware社の大半の顧客がこのバージョンを現在使用中で、同社はサポートを長期的に継続する。
- (多くの想像通り)VMware Serverもフェードアウトされることはない。同社では現在も、同製品をさまざまなユーザ層にとって貴重な製品として見ている。
一見すると、元最高経営責任者(CEO)であるDiane Greene氏の解任が発端となった株価の暴落に苦しむVMware社が建て直しを図るための明確な動きのようにも思える。
しかし、virtualization.infoが得た情報では、この計画は新CEOのPaul Maritz氏ではなく、Greene氏自身が数カ月前に立てたものだという。
無償版のESXは市場にどのような影響を与えることになるのだろうか?
そもそも、競争の場は仮想インフラ管理(特にストレージに重点)と自動化(ホステドデスクトップ、仮想ラボ、VMライフサイクル、自律コンピューティング、クラウドコンピューティング)の両分野に移り、ハイパーバイザーはOSに組み込まれているかどうかにかかわらずコモディティになるだろう。
同じ戦略を採用しないベンダーはどこも(Citrix社やVirtual Iron社は)自社ソリューションの価格を正当化するのに苦戦することになる。
次に、同製品により、VMware社の技術がようやくSMB市場でも急速に普及するだろう。
これは、この分野におけるMicrosoft社や、そのほか中小企業を明確なターゲットとする仮想化ベンダー各社(Virtual Iron社やParallels社)の取り組みを大きく妨げることになる。
大事なことを言い忘れていたが、高いシェアの獲得には販売チャネルが重要になってくる。
複数の市場リーダーが価格や機能セットの面で同様の提案をしてくると、チャネル管理の経験が差になって現れる。
VMware社はこの分野でMicrosoft社やCitrix社と競合できるように思えなかったが、新CEOには過去の過ちを正す知識が間違いなくある。

