スクープ:VMware社社員がCEO解任劇の詳細とTucci氏やMaritz氏の機密メールを暴露 (20080709-1)

7/09/2008   |   原文はこちら (English)

VMware社の取締役会は7月8日、驚きの行動に出て同社の共同創業者で最高経営責任者(CEO)のDiane Greene氏を解任した。
Greene氏の後継には、Microsoft社出身のPaul Maritz氏が即座に就任した。Maritz氏は、自身の設立した新興企業Pi社の買収を受けてEMC社に入社したばかりだった。
これを受け、株式市場は株価を25%押し下げてこれに反対の意を表明した。
さらに、2007年にVMware社に対して1億5000万ドルを出資したCisco社も同社から7800万ドルを引き上げた。

virtualization.infoでは、今回の事件を時系列で追いかけ、最新情報の更新を続けている。

今のところ、同社は今回の件に関する新しい情報を公表していない。
同社社員にはメディアに対するかん口令が出ている。しかし、この予想もしない更迭劇から受けた衝撃と失望が、激怒したVMware社社員の口を開かせた。

virtualization.infoは、VMware社のある社員からスクープ資料を受け取った。そこには、重要な詳細と、今のところ同社の励みになっている所感が示されている。
さらにこの資料は、EMC社CEOのJoe Tucci氏と、VMware社の新CEOに就任したPaul Maritz氏から社員全員に送信された2通のメールも公表している。


- 以下は社員の感想だ。

(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)

まだ正確な詳細は分からないが、彼女(Greene氏)は会社の完全なスピンオフを狙っていたようだ。EMC社についても、ある意味われわれの進展の節目の1つであったので、このようなこともうまくいったかもしれない。だが、正確には分からないがJoe Tucci氏はまだ手放したくなかったようだ。しかし、VMware社社員の多くは不満を抱えている。そして、幹部から正直な回答が得られなければ、社員の大量流出がまもなく始まるかもしれない。フリー/オープンソースソフトウェアに賛同するエンジニア集団の会社に元MS社員がいることはひどい状況であり、間違ったメッセージが大量に伝わってしまう。

全体的には、幹部レベルのレイオフが徐々に下へと波及するというのが一致した意見だ。企業再編という言葉は、社内全体や自分が出席した部門レベルの会議で何度も繰り返されていた。一般的な感想として、多数の社員が辞めていくだろう。

全社会議(公式発表で言及されている)では、まさにこれらの疑問がはぐらかされており、これが感情的にさせ、さらなる怒りを買った。全社Q&Aセッションでは、Paulが2回にわたって黙秘権を行使して発言を拒否し、このことがすべてが悪い方向へ向かうとの疑念を高めた。

全体的に見て、新幹部がそろえば社内の文化は変化すると思われる。各種サイトも、アナリストの推測はこれとほぼ同じような内容だ。社内もこれと同じような感想だと思う。PaulはWindowsの開発に携わっていたが、在職中の数年間にMicrosoft社が投入したソフトウェアの品質には、多くの社員があまり感動していない。これらに大きな影響を与えていたのはマーケティングや市況であり、今の彼らはそれを失ってしまった。

このメッセージは基本的に、virtualization.infoが記事のなかでこれまで推測してきた2つの点を確認するものとなっている。

  • Diane Green氏はVMware社の買収先を探し、最終的には同社をEMC社から切り離そうとしていた。
  • 同氏の解任はいずれ社員の大量流出へとつながるが、その先頭を切るのが同氏の夫でVMware社チーフサイエンティストのMendel Rosenblum氏ではないかと思われる。

- また、EMC社CEOのJoe Tucci氏が社内向けに送信した電子メールは次の通り。

(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)

もう話は聞いていることと思うが、VMware社の取締役会は7日午前付けで同社トップの交代を決定した。

VMware社をワールドクラスのソフトウェアベンダーへ、そして市場トップの座へと引き上げたDianeのたゆまぬ努力には感謝している。取締役会は、Dianeに別の役職を用意し、社内にとどまって引き続き重要な役割を果たしてもらえるよう交渉したが、同意に至ることができず落胆している。同氏の今後の成功を祈るばかりである。

簡単な人事異動というものは決してないが、今回の人事異動は社員全員に快諾していただきたい。新たに就任する新CEOのPaul Maritz氏はリーダーの資質を備えており、VMware社の技術と市場における独占的立場をさらに伸ばすのに必要な経験もある。VMware社は、新しい業界を作り出すことのできた数少ない企業の1社だ。このチャンスを生かし、新しい業界の進化に合わせ、市場をリードしてさらに成熟させていくには、素晴らしいリーダーシップと経営経験が必要だ。今日の厳しい市況においては特にそうだ。競争が激しさを増しつつあるのは間違いなく、経済が不透明な主要市場もある。しかし、VMware社の仮想化市場が拡大しつつあることも同様に間違いない。これらの要因には、われわれの新CEOがVMware社に持ち込む経験が必要なのだ。

Paul Maritz氏はこの時点よりVMware社の新CEOとなる。ソフトウェア業界のリーダーであるPaulには、ソフトウェア史上最も偉大な主力製品の1つである「Microsoft Windows」を開発した何十年もの経験がある。実際、Paulはトップ幹部の1人としてMicrosoft社の成功に貢献した。

取締役会とわたしは、PaulはVMware社の成功と革新を次のレベルへと進め、Dianeが当初から思い描いてきたビジョンを実現するのに適切なタイミングで登場した適切なCEOだと思う。  

どうかわたしと一緒にPaulの就任を歓迎してほしい。今回の人事異動全体と、VMware社が次の成長を目指す過程で、社員全員が彼を完全にサポートしてくれるものと確信している。

- そして、VMware社新CEOのPaul Maritz氏は社内向けに次のような電子メールを送信している。

(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)

まず、Diane Greene氏のリーダーシップと、彼女がVMware社に残してくれた遺産に感謝したい。今回、VMware社が業界で勝ち取ったトップの座を維持するための機会を与えられたことを光栄に思っている。

Joe Tucci氏が今朝送信した電子メールからご存じのように、わたしはソフトウェア業界の経験が長い。おそらくもうすでにGoogleでわたしのことは調べていることと思うので略歴の紹介は控えておくが、この競争の激しい環境で挑戦する機会を与えられたことにワクワクしていることは一言伝えておきたい。

わたしは自分の人生で、素晴らしいソフトウェア製品の開発と、素晴らしいチーム作りに情熱をかけている。わたしの経営スタイルは創業者主導の会社のそれとは異なるものになるだろう。そのようなことから、わたしは幹部の意志決定に関する権限を高めていくほか、説明責任と意志決定を社内全体にトップダウンで伝えていく。技術や経営について多くの人たちと一緒にさまざまなレビューを行い、あらゆるものを確実かつ完全に認識するようにする。これらの作業には時間がかかり、準備が必要なことは分かっているので、我慢していただくようお願いするとともに、レビューについては最低限必要なレベルに抑えることを約束する。

最後に、全員と知り合うには残念ながら相当な時間を要するので、わたしがVMware社の家族の一員になれるよう、どうか気軽にメールしたり、廊下で会ったら声をかけて欲しい。厳しい上下関係はわたしの主義ではないので、心配事や提案があれば、気軽にコンタクトして欲しい。

言うまでもなく、これら2通のメールはDiane Green氏の解雇を巡る測り知れない数の疑問には答えておらず、社員を落ち着かせ、virtualization.infoが予想するほか、記事中にある社員の電子メールでも確認されている大規模な人材流出を回避することもできていない。

また今日もVMW株は大幅に値を下げることが予想される。