VMware ESXi対Microsoft Hyper-V:中小企業に適しているのはどちら?(20080728-5)

7/28/2008   |   原文はこちら (English)

VMware社は7月28日、基盤ハイパーバイザーであるESXの無償公開により、ハイパーバイザーのコモディティ化にまた大きな一歩を踏み出した。
前最高経営責任者(CEO)のDiane Greene氏によってかなり以前から計画されていたこの措置が、Microsoft社とその新しい無償ハイパーバイザーである「Hyper-V」の高まる脅威に対抗するためのものであることは明らかだ。

両社ともSMB市場をターゲットとしているため(Citrix社はエンタープライズ市場においてVMware社と正面から衝突している)、「どちらの製品が優れているのか?」という疑問への回答は興味深いものとなる。

これまでの歴史から分かるように、製品のポジショニングには販売チャネルの顧客獲得力、総所有コスト(TCO)、その会社と一緒に拡張を進められる力、エコシステムにおけるハードウェアおよびソフトウェアのサポートなどが関連し、機能が多いことが必ずしも優れていることを意味するわけではない。

これらの要因の計算は難しいが、TCOには特別な魅力があり、どの会社も競合製品の隠れたコストを計算する誘惑にかられてしまう。

最初に行動に出たのがVMware社で、最近人気が高まっている業界調査/競合分析部スペシャリスト・システムエンジニア、Mike DiPetrillo氏が自身の個人ブログを使って非常に興味深い分析を詳細にまとめている。 

(※下記は引用部分の参考翻訳として掲載。)

中小企業(SMB)市場を構成する企業については人それぞれに見方が異なるが、サーバが50台未満で、その大半がMicrosoft社製品の教育を受けた最小限のITスタッフという分類にはだれもが同意するだろう。もちろん例外もあるが、ここではこれより大きいグループを念頭に置く。

今日の仮想化ソリューションと、ほどほどの2ソケットシステムがあれば、最低10対1の集約率は達成でき、場合によっては15対1にも近づけるはずだ。

ESXi 3.5は完全に無償である。Hyper-Vが果たす役割が完全に無償になる。大きな違いは、Hyper-Vを実行するにはWindows Server 2008のホストが必要で、ESXi 3.5ではそれが不要な点だ。SMBの大半はサーバソフトウェアに関してSoftware Assurance(Microsoft社のアップグレードプログラム)の料金を払っていない。ただし、信頼できる数字が手元にないので、数字が分かる方はコメントセクションで教えていただきたい。ここでは、この分野における自らの長い営業経験を述べるに過ぎない。これはつまり、多数のSMBはWindows Server 2003、あるいはWindows Server 2000、もしくはWindows NTを運用しているものと思われる。Hyper-Vの運用にはWindows Server 2008が必要であるため、それはHyper-Vを入手するだけのためにWindowsのサーバライセンス料をわざわざ支払うことを意味する。

30台分のVM環境向けにホストを3台追加したあとで集中管理機能を用意したくなったとする。Hyper-Vの世界では「Systems Center Virtual Machine Manager」を使う。一方、VMwareの世界では「Virtual Center Server」を使う。繰り返すが、これは機能比較をするものではない。どちらのソリューションもVMの作成と管理、ライブラリの管理、集中管理画面など、基本レベルでは同じことができる。

さて、3台のホストをまとめると、集中管理ソリューションはMicrosoft SCVMMが個々に買いそろえると3300ドル、もしくはWorkgroup Editionで499ドル(最終的な数字にはWorkgroupを使う)、VMware VI Foundationが2995ドルとなる。

VMware Foundationを購入する際は、「VMware Update Manager」(ホストとVMのパッチ適用を行う)や「VMware Consolidated Backup」などの先進機能がいくつかバンドルされることを覚えておきたい。Hyper-Vで同様の機能が欲しい場合は、価格がホスト当たり1290ドルの「Systems Center Systems Management Suite Enterprise」(SMSE)の購入が必要になる。

これで、3ホストソリューションのパッチ管理やバックアップといった先進機能はMicrosoft SMSE = 4260ドル、VMware VI Foundation = 2995ドルとなる。

DiPetrillo氏は最後に比較表を用意している。

  Microsoft Hyper-V VMware ESXi
基本集約 3000ドル 無償
集中管理 3500ドル 2995ドル
バックアップとパッチの適用 7260ドル 2995ドル

 

この分析には議論の余地がある部分もいくつかある。
たとえば、仮想インフラへのパッチ適用はMicrosoft社が完全無償製品としてリリースするあのWSUSによっても達成できる。

それにもかかわらず、この分析はMicrosoft社は仮想マシンのバックアップといった基本的かつ重要な機能を実行するのに顧客に「Data Protection Manager」の入手を義務づけている(SMSEへのバンドルの有無にかかわらず)といった重要なポイントを強調している。
どのWindowsにも同梱され、Volume Shadow Service(VSS)によって待望のライブスナップショットが可能な「NTBackup」にはこの処理ができないため、このようなことが起きるのだ。
Microsoft社は、VMware社に対抗するための競争上のアドバンテージとしてNTBackupを利用する機会もあったが、同社はこれを使わなかった。

例によって、Microsoft社などから何か回答があればこの書き込みを更新する。