巨人が動く:Microsoft社の新しい全方位仮想化戦略 (20080313-5)

3/13/2008   |   原文はこちら (English)

ここ数カ月の間、Microsoft社の仮想化戦略がこの上なく積極的になっている。

2003年のConnectix社買収(ハードウェア仮想化)に始まり、Microsoft社は2006年のSoftGrid社買収(アプリケーション仮想化)や2008年初頭のCalista Technologies社買収(プレゼンテーションの仮想化)など、徐々に投資を拡大していった。

同社は、「Terminal Services」の新機能、仮想化プラットフォーム用の新しい管理コンソール、「System Center Virtual Machine Manager(SCVMM)」、2008年第3四半期登場予定の新しいハイパーバイザー「Hyper-V」などの技術を社内開発しているため、実際の投資額はさらに増える。

Microsoft社はさらに、自社バックエンドサーバの大半に仮想化の機能を組み込み、サポートも加えている。「Operation Manager (SCOM)」、「Configuration Manager (SCCM)」、「Data Protection Manager (SCDPM)」はどれも仮想化対応が進められ、「SQL Server」と「Windows Server」にはいずれにも仮想化の容易なライセンスが用意された

Novell社Citrix社Sun社、そしてVirtual Iron社との一連の提携のおかげで、これらの技術はすべて相互運用性を念頭に置いた開発が行われた。

大事なことを言い忘れていたが、同社の長期ビジョンが具体的に描いているのは、ハードウェアの仮想化(OS導入用)とアプリケーションの仮想化(バックエンドサービス導入用)で大規模データセンタが完全に仮想化され、「Oslo」というコード名を持つサービス指向ディストリビューションモデルで密接に接合された未来だ。

Microsoft社は、このようなシナリオを描くなかでKidaro社を買収した。これは、全体像のどこにフィットするのだろうか?

消費者向けのデスクトップ仮想化は、今のところMicrosoft社の意気込みがあまり感じられない分野だ。「Virtual PC」は何年もかけて改善されてきたが、デスクトップ仮想化製品に期待される基本的な機能しか提供していない。さらにMicrosoft社は、無償で、世界中のMSDNデベロッパーにとって最も重要なツールになる可能性があるにもかかわらず、同製品の大規模な宣伝を全く行っていない。

この意気込み不足の背景の1つには、このようなタイプのソリューションは(史上最高額を投じたマーケティングキャンペーンより熱心に仮想化のメリットを啓もうしても)大きな売上高につながらず、開発コストを回収できないといった要因もある。

Microsoft社はKidaro社を買収することで、企業内で個人が利用するPCのデスクトップ仮想化を提供するという、新しく、大きく伸びる可能性を秘めた売上ストリームを見つけた。

この新興技術はあらゆる仮想マシンをセキュリティレイヤでラッピングするため社内ポリシーが守られるようになり、さまざまな理由からVDIアプローチを採用したくない、もしくはできないすべての企業にとって魅力的なソリューションが提供される。

このように、予算のあるところにKidaro社が売り込みをかけられるため、Virtual PCの本格的な強化も正当化されるようになる。

さらに、いずれもがストリーミング機能を提供する「Kidaro Managed Workspaces」と「Application Virtualization」の組み合わせは限りないポテンシャルを秘めており、前述したMicrosoft社の長期ビジョンをデスクトップに持ち込んでくる。

つまり、Microsoft社はこの買収により、多くの異なるシナリオで各種ニーズに対処する本当の意味の全方位対応仮想化製品の提供に向けた非常に重要なパーツを獲得したことになる。

次はこれらすべての技術を1つの組織的スイートに統合する作業だが、最大の難問となるのがこの部分だ。